インゼルベルク
いんぜるべるく
Inselberg ドイツ語
乾燥地帯に発達する島状丘地形や孤立丘地形をいう。この用語は二つの地形に使用されている。この用語が広く使用されている地形は、乾燥地形のペディメントpedimentが拡大して形成された、侵食平坦(へいたん)面のペディプレーンpediplainに島(Insel)状に突出した小規模な山(Berg)である。小山の急斜面とペディメントの境には斜面の急変部があるが、その角度は岩石の種類によって異なる。しかし、その縦断面形は凹形となっている。もう一つの地形は、花崗(かこう)岩などの結晶質岩石で、垂直な節理(割れ目)がある岩石の所に発達しているインゼルベルクで、この節理の影響により、平坦地に釣鐘を伏せたような地形である。釣鐘状の地形はサバナにも発達している。この二つの地形は平原に孤立している点では共通しているが、縦断面は異なっているので、両者を区別するため、後者に、東アフリカで最初に「島状丘」の研究をしたドイツの地質学者ボルンハルトW. Bornhardtを記念して「ボルンハルト」を使用する研究者もいる。
[赤木祥彦]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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インゼルベルク
inselberg
東アフリカのサバンナ地帯に平坦面から突出して分布する孤立丘が,海面に浮かぶ島のように見えたことから,W.Bornhardt(1900)がインゼルベルク(島山)と命名。形態的には二分。1)乾燥輪廻の進行に伴ってペディメントが拡大し,山地が解体される過程で形成される孤立丘。斜面は凹形。やがてペディプレーン化して消滅。2)アフリカ・オーストラリアなどにみられる平原上に突出するドーム状の裸岩。凸形の斜面形をもつ。両者に成因的な差異があることから,後者をボルンハルトと呼び,前者と区別することもある。河食地形での残丘(monadnock)に相当する地形。島山,島状丘とも。
執筆者:小池 一之・木曽 敏行
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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百科事典マイペディア
「インゼルベルク」の意味・わかりやすい解説
インゼルベルク
島山とも。広い砂漠や平原の中に海中の島のように孤立して浮かぶ丘陵。砂漠内で周辺の岩石より硬い部分が風食に抵抗して孤立した残丘となり,残丘の周辺は岩石床を構成している。
→関連項目乾燥地形
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内のインゼルベルクの言及
【乾燥地形】より
…ペディメントが拡大するとともに山地は縮小してついに海上に浮かぶ島のようになる。これは〈島山〉を意味するインゼルベルクInselbergと呼ばれる。さらに浸食がすすむとインゼルベルクも消滅し平たんで広大な終末地形であるペディプレーンpediplainとなる。…
【残丘】より
…関東山地の大岳山,御岳山,阿武隈山地の大滝根山,北上山地の早池峰(はやちね)山などがその例である。アフリカのサバンナ地域にみられる裸岩の孤立丘はドイツ語でインゼルベルクInselberg(〈島山〉の意)と呼ばれるが,これと同種のものは一般に乾燥地の大陸台地の中にみられ,一種の残丘と考えられる。[乾燥地形]【式 正英】。…
【準平原】より
…ケニア,コンゴ民主共和国などアフリカ大陸の内陸部には大陸台地の形で第三紀に削平されて形成された先カンブリア界を切る準平原が広域に認められる。これらの準平原上には残丘の一種であるインゼルベルク(島状丘陵)の岩山が点在する。 日本の山地の定高性の山稜や山頂平たん面について,地形を復原して小起伏面を想定し,これらを準平原遺物といったりするが,厳密な意味の準平原ではなく前輪廻の老年山地の一部と考えられる程度のものである。…
※「インゼルベルク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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