ウィルクスランド(その他表記)Wilkes Land

デジタル大辞泉 「ウィルクスランド」の意味・読み・例文・類語

ウィルクス‐ランド(Wilkes Land)

南極大陸東経100度から142度にかけての地域名称。1840年、米国探検隊を率い、南極大陸であることを初めて報告したチャールズウィルクスにちなむ。オーストラリアのケーシー基地フランスデュモンデュルビル基地がある。2006年の重力場測定により、2億5千万年前に形成された直径480キロメートルもの巨大なクレーターがあると推定されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウィルクスランド」の意味・わかりやすい解説

ウィルクス・ランド
Wilkes Land

南極大陸のうち,インド洋に面する東経100.5°のホーダーン岬Cape Hordernから142°のアルデン岬Point Aldenにかけての陸地海岸はほぼ南緯66.5°に沿い,内陸部は標高3000mに達する。1838-42年,アメリカの海軍士官ウィルクスCharles Wilkes(1798-1877)は5隻の船で太平洋と南極の探査を行い,一隊は沿岸近くに接近し,南極は大陸であることを認めた。後年隊長名を地名に冠した。西からノックス・コーストKnox Coast,バッド・コーストBudd Coast,サブリナ・コーストSabrina Coast,バンゼア・コーストBanzare Coast,クラーリー・コーストClarie Coast,アデリー・コーストAdélie Coastと細分命名されている。東経136~142°のテール・アデリーTérre Adélie(アデリー・コースト)をフランスが領土権を主張し,他はオーストラリアが領土権を主張している。沿岸に露岩地域は少なく,1981年現在ケーシーCasey(南緯66.3°,東経110.5°,オーストラリア),デュモン・デュルビルDumont d'Urville(南緯66.6°,東経140°,フランス)の両越冬基地がある。ここから内陸部へかけての調査はあまり多くない。デュモン・デュルビル基地の沖合南磁極があり,東経101°付近にバンガー・オアシスBunger Oasis(露岩,約600km2)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィルクスランド」の意味・わかりやすい解説

ウィルクス・ランド
うぃるくすらんど
Wilkes Land

南極大陸中の大きな陸地で、東経100~142度に及ぶ。1838~42年に、アメリカのチャールズ・ウィルクスは南太平洋から南極の探検を行い、南極が大陸であることを証明した。命名は彼の名にちなむ。海岸はほぼ南緯66.5度に沿っている。西のバンガー・オアシスにポーランドの夏基地、東経110度にオーストラリアのケーシー基地、東経140度にフランスの基地がある。

[楠 宏]

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百科事典マイペディア 「ウィルクスランド」の意味・わかりやすい解説

ウィルクス・ランド

南極大陸の一部。インド洋に面し,およそ東経102°〜140°20′の間の地域。米国のC.ウィルクス〔1798-1877〕が1838年―1842年の南太平洋探検で発見。フランス,オーストラリアの基地がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィルクスランド」の意味・わかりやすい解説

ウィルクスランド
Wilkes Land

南極大陸のインド洋側,東経 102°~142°20′の範囲の地域。 1838~42年のアメリカ南極探検隊の隊長 C.ウィルクスを記念して命名。沿岸部は東からアデリー,クレーリー,バンゼア,サブリナ,バッド,ノックスの各海岸に区分されている。東端のアデリー海岸沖には南磁極が位置する。

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