ウォーターフォード(英語表記)Waterford

改訂新版 世界大百科事典 「ウォーターフォード」の意味・わかりやすい解説

ウォーターフォード
Waterford

アイルランド南海岸東部,ウォーターフォード湾の奥に位置する同名県の県都。人口4万5748(2002)。地名は9世紀にこの町を築いたデーン人の言葉に由来し,父(またはオーディン神)の浅瀬を意味する。乳製品食肉加工,皮革製造などが盛んであるが,伝統産業のクリスタルガラスがもっとも有名ほかに大規模な工業団地の開発がすすめられている。港はサケ漁,遠洋漁業基地である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウォーターフォード」の意味・わかりやすい解説

ウォーターフォード
うぉーたーふぉーど
Waterford

アイルランド共和国南部にある同名県の県都で特別市。バロー川の支流シュアー川の下流右岸に位置する。人口4万4564(2002国勢調査速報値)。セント・ジョージ海峡に臨む河港都市で、アイルランドではダブリンウェックスフォードコークと並ぶ重要な都市。16世紀のチューダー朝時代には、スペイン貿易によってダブリンに次ぐ都市となった。ウェックスフォードの外港ロスレア港とともに、港からバター、チーズ、ベーコンハム家畜クリスタル・グラスなどを、イギリスのフィッシュガード、ニューポートへ向けて輸出している。ガラス工業は18世紀以来有名。12世紀以前からデーン人が居住した古い町で、1206年ジョン王から特許状を受け、1649年クロムウェルが占領した。11世紀初頭の塔や18世紀創建の大聖堂などが残る。

米田 巌]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォーターフォード」の意味・わかりやすい解説

ウォーターフォード
Waterford

アイルランド南西部,マンスター地方南東部,ウォーターフォード県東部の特別市。同県の県都。ダブリンの南南西約 135km,シュア川下流部にのぞむ港湾都市で,バロー川との合流点より約 6km上流の南岸に位置する。ノール人によって建設されたが,1171年ヘンリー2世がここに上陸し,アングロ・ノルマンによるアイルランド征服の橋頭堡とした。その後自由都市並みの独立性を享受したが,1650年 O.クロムウェル軍に占領されて衰え,18世紀再び繁栄を取戻した。食肉,ベーコンなどの畜産物加工,ビール醸造を行うが,特にウォーターフォードグラスと呼ばれるクリスタルガラスは世界的に有名。有力な漁港でもある。面積 38km2。人口4万 345 (1991) 。

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百科事典マイペディア 「ウォーターフォード」の意味・わかりやすい解説

ウォーターフォード

アイルランド南東,シュア河岸,セント・ジョージ海峡に開く入江の奥にある港湾都市。ウォーターフォード州の州都。シュア川,ノア川,バロー川の流域を後背地にもつ酪農の中心地。家畜,酪農製品を輸出。ビール醸造工業もあり,ウォーターフォード・グラスで有名。4万6732人(2011)。

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