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ベーコン ベーコン Bacon, Francis

22件 の用語解説(ベーコンの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベーコン
ベーコン
Bacon, Francis

[生]1909.10.28. ダブリン
[没]1992.4.28. マドリード
イギリスの画家。初め家具デザイン室内装飾の仕事についたが,1929年から独学で画家の道を歩む。写真や複製をもとにしてねじれたような奇怪な人間像を描き,第2次世界大戦後のイギリスの代表的画家となった。

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ベーコン
ベーコン
Bacon, Francis, Baron Verulam

[生]1561.1.22. ロンドン
[没]1626.4.9. ハイゲート
イギリスの哲学者。近代イギリス経験論の創始者。ケンブリッジ大学に学んだのち,パリに渡ったが,父の死後帰国し,国会議員などの政治活動に入った。 1621年汚職のため公職を退き,以後著述に専念した。

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ベーコン
ベーコン
Bacon, Henry

[生]1866.11.28. イリノイ,ワツェカ
[没]1924.2.16. ニューヨーク,ニューヨーク
アメリカ合衆国の建築家。イリノイ大学卒業後,ニューヨークの建築事務所マッキム・ミード・アンド・ホワイトで働き,次いで 1902年まで J.ブラントのもとで活動。その後独立し,首都ワシントン D.C.ドーリス様式の神殿風のリンカーン記念堂 (1922献堂) を設計して名声を得た。

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ベーコン
ベーコン
Bacon, John

[生]1740.11.24. ロンドン,サウスワーク
[没]1799.8.4. ロンドン
イギリスの彫刻家。ランベスの陶器工場の原型作者となり,人工石の模刻や大理石像の複製を作る新技術を創案。 1770年にロイヤル・アカデミーの準会員。『ジョージ3世胸像』 (1774,オックスフォード,クライス聖堂) を制作。

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ベーコン
ベーコン
Bacon, Sir Nicholas

[生]1509. ケント,チズルハースト
[没]1579.2.20. ロンドン
イギリスの政治家。ケンブリッジ大学と法学院に学び,1537年増収裁判所法務官となり,46年後見裁判所に移った。新教徒であったが旧教徒メアリー1世の治世にも地位を保持した。エリザベス1世即位後急速に昇進し,58年国璽尚書になり,翌年大法官の司法権限行使を許され,枢密顧問官になった。

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ベーコン
ベーコン
Bacon, Roger

[生]1220頃
[没]1292頃
イギリスの哲学者,自然科学者。驚異的博士 Doctor mirabilisと呼ばれた。オックスフォード,パリの各大学に学び,学問としては数学を,方法としては経験的方法,実験的方法を重視し,哲学に経験的方法を導入して,哲学を神学から区別した。

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ベーコン
ベーコン
bacon

豚の脇腹肉を塩漬にし,薫煙してつくった薫肉食品。製法はハムとほとんど同じだが薫煙を強く行う。薫煙によって特有の風味と防腐性が与えられ,脂肪の酸化も押えられる。肉や脂肪の厚さが均一で,色調,風味のよいものが良質とされており,脂肪の層が極度に厚くて,軟らかすぎるのはよくない。

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デジタル大辞泉の解説

ベーコン(bacon)

豚のばら肉。また、それを塩漬けにして燻製くん(せい)にした加工食品

ベーコン【Francis Bacon】[英国の哲学者・政治家]

[1561~1626]英国の哲学者・政治家。スコラ主義を打破し、経験と実験を重視する帰納法を主張。経験論の先駆者となった。著「随筆集」「ニューアトランティス」など。

ベーコン【Francis Bacon】[英国の画家]

[1909~1992]英国の画家。アイルランド生まれ。極度に変形された奇怪な人間像を描き、現代人の孤独感や不安感を表現した。代表作「風景の中の人物」など。

ベーコン(Roger Bacon)

[1214ころ~1294]英国の哲学者・科学者。近世自然科学の先駆者で、「大著作」を著し、実験と観察による科学的認識を説いた。拡大鏡の発明、暦の改良などを試みた。

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監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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百科事典マイペディアの解説

ベーコン

英国の哲学者,政治家。デカルトと並ぶ近代哲学の確立者であるとともに,ジェームズ1世の下で大法官を務めるなど,廷臣としても重きをなした。合理論と経験論,演繹と帰納,プラトン主義アリストテレス主義を統合しつつ諸学の〈大革新〉を企てる大著は未完に終わったが,その一部たる《学問の進歩》ノウム・オルガヌム》《森の森》などが残されて,後世の学問観,科学方法論に大きな影響を与えることになる。
→関連項目オルガノンベーコン

ベーコン

英国の画家。アイルランド,ダブリン生れ。独学で油絵を習得し,1945年に発表した《磔刑のもとにいる人物のための習作》(1944年,テート・ギャラリー蔵)で衝撃的なデビューを果たす。
→関連項目サザランド

ベーコン

英国のスコラ学者,フランシスコ会士。その百科全書的博識のゆえに〈驚異博士Doctor mirabilis〉と尊称される。ギリシアヘブライイスラムの学知,さらには錬金術占星術などをも包摂する諸学の再編と統合を企図,実証・実験を重視する〈経験学〉の理念を提唱した。

ベーコン

豚肉加工品の一つ。おもに脇腹の肉を使う。血絞りした肉を食塩,硝石,砂糖,亜硝酸ソーダにより重しを用いて漬けこみ,のち水浸して塩抜きし,乾燥,燻煙(くんえん)し製品化する。

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栄養・生化学辞典の解説

ベーコン

 本来はブタのばら肉をいうが,日本ではそれを塩漬けし,燻煙した製品をいう場合が多い.

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世界大百科事典 第2版の解説

ベーコン【bacon】

一般に三枚肉と呼ばれる豚のわき腹肉(ばら)を塩漬,薫煙した加工品。ベーコンの語源はうしろ(back)と同じで,豚の背やわきの肉をさし,干したものや塩漬のものもすべてベーコンと呼んでいた。現在の製法はハムとほとんど同じであるが,原料肉は広く,大きく,肉と脂肪が3層になっているものがよい。肋骨や胸骨を抜いて整形後,血絞り,塩せき(漬),水洗,薫煙して製造する。ハムと違って湯煮を行わない。血絞りはハムと同じ要領で行う。

ベーコン【Roger Bacon】

1219ころ‐92ころ
イギリスのスコラ学者,フランシスコ会士。その博識により〈驚異博士Doctor mirabilis〉と称される。サマセット州のイルチェスターあるいはグロスター州のフォッジモア出身と推定される。オックスフォードに学んだ後,1240年ころパリへ渡り,神学研究のかたわら,アリストテレスの自然学諸著を講義した。やがて学問界の頽落状態に失望し,47年ころ入手した偽アリストテレス《秘中の秘》に触発されて,知的転機を迎えた。

ベーコン【Francis Bacon】

1909‐92
アイルランド出身の画家。ダブリンに生まれ,1925年ロンドンに移住。以後2年間室内装飾の仕事につく。やがて独学で絵を描きはじめ,34年ロンドンで最初の個展を開く。はじめは現代社会の悲惨と不安をグロテスクな人間像に託して表現していたが,間もなく名画のパロディを試み,よく知られた人物や画像の奇妙な変様を描くようになった。代表作に《法王I》(1951)など。【岡田 隆彦

ベーコン【Francis Bacon】

1561‐1626
絶対主義時代イギリスの政治家,哲学者。エリザベス朝の国璽尚書ニコラス・ベーコンの八男としてロンドンに生まれた。12歳でケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジに入学,3年後退学してグレー法曹院に入り,1576年駐仏大使に従ってフランスに渡った。3年後父の死のため帰国,84年下院議員となった。この後国会ごとに下院議員として活躍したが,念願の官職に就くことがなかなかできず,ジェームズ1世のもとで初めて法務次官となった。

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大辞林 第三版の解説

ベーコン【bacon】

豚などのばら肉を塩漬けにしたあと薫製にした食品。

ベーコン【Bacon】

〔Francis B.〕 (1561~1626) イギリスの哲学者・政治家。大法官にまで進む一方、学問の大刷新という雄大な構想を展開。自然に従うことによってのみ自然を征服できるという信念のもと、帰納法を用い、経験と観察によって実在の法則を取り出すことをめざした。四つのイドラ(偶像)論も有名。著作「新オルガノン」「随想録」など。
〔Francis B.〕 (1909~1992) イギリスの画家。1940年代に自分の旧作を破壊し、作風を一変させ、孤独や不安を感じさせるデフォルメされた人物像を描いた。代表作「風景の中の人物」「ベラスケスによる習作、教皇インノケンティウス一〇世」
〔Roger B.〕 (1214頃~1292頃) イギリスの哲学者・神学者。フランシスコ会士。確かな認識は経験や実験によって得られるとし、実験科学のさきがけとなった。百科全書「大作品」「哲学要綱」「神学要綱」ほかの著があり、「驚異博士」と称される。

出典|三省堂
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世界大百科事典内のベーコンの言及

【食肉加工】より

…これを防ぐためバイオクリーンルームという空気ろ過器を用いた塵埃(じんあい)や細菌のひじょうに少ない室内でスライスパックする方法が普及しつつある。【森田 重広】
[食肉加工業]
 牛肉,豚肉,鶏肉などの肉類を原材料として,ハム,ベーコン,ソーセージなどの加工品を製造する食品工業の一部門。今日の食肉加工品に近いものがいつごろ日本で製造されるようになったかは定かでない。…

【遠近法】より

…技術的には中世人は透視図法を知っていた(10世紀アラビアの科学者イブン・アルハイサムの著作を通して12世紀に古代の透視図法の理論はヨーロッパに伝えられていた)が,神を絶対者とする中世の抽象的世界観は,自然界を客観的に描出することを必要としなかったと考えられる。ロジャー・ベーコンは《大著作(オプス・マユス)》(執筆1266‐68)で,古代とイスラム世界の技法を,神の調和的世界とその恩寵の遍在についての証明に利用している。したがって,ジョットはフランシスコ会の調和的・汎神論的世界観の影響下にアッシジで描いたフレスコにおいて,ポンペイ風の遠近法を復活させたが,そこには,外界への新たな関心と同時に,ベーコンに代表される,神の秩序への倫理的な証明として整合性ある空間を価値あるものとする,このような伝統があったためと考えることができる。…

【火薬】より

…ヨーロッパでは12世紀のクレモナのゲラルドなどによって,アラビア語文献のラテン語訳が盛んに行われるようになり,火薬に関する知識もこうしたラテン語訳を通じてヨーロッパ人に知られた。主としてイギリス人学者のあいだで,R.ベーコンがヨーロッパで最初の火薬発明者とされているが,その知識はイスラムから得たものと思われる。しかし火薬の発明者をベーコンとする説には反対も多く,むしろドイツのフランシスコ会修道僧シュワルツBerthold Schwarz(?‐1384)が最初の発明者とする説が有力である。…

【キリスト教文学】より

… 13世紀はキリスト教文芸復興として,多くの有名な神学者,論説家が輩出した。アルベルトゥス・マグヌス,その弟子であるトマス・アクイナス,フランシスコ会のR.ベーコンらはそのおもな者であるが,トマスには教皇ウルバヌス4世の命で聖体日のために作った数編のすぐれた賛歌や続唱があり,ことに《シオンよ,救主をたたえまつれ》は美しい詩である。しかし中世を通じ最大のラテン宗教詩は,トマーソ・ダ・チェラノTommaso da Celano(1190ころ‐1260ころ)の作とされる《怒りの日》で,最後の審判の日を歌い,今でも死者の葬送法会に常用される。…

【光学】より

…この議論は光学そのものの発展に寄与することが少なかったが,多くの哲学者や神学者を光学研究へと向かわせたのである。事実,R.ベーコン,ペッカム,ウィテロのような哲学者がこの学問に取り組んだ。彼らは,発光体や視覚対象の〈可視的形象〉が周囲の媒体中に次々と増殖されることによって伝播するというグロステストの説と,イブン・アルハイサムの説を融合させ,中世独自の光学理論を打ち立てたのである。…

【黒色火薬】より

…黒色火薬の原形は中国で戦国時代に発明されたといわれる。13世紀にはイギリスのR.ベーコンが黒色火薬の組成を記録している。19世紀後半におけるダイナマイトおよび無煙火薬の発明に至るまでの長い間,黒色火薬がほとんど唯一の発射薬や爆破薬として使われてきた。…

【数学】より

…自然科学では,アリストテレスの諸著やユークリッドの最初の部分などが学ばれた。その間にも,ときには無限についての考察がなされ,イギリスのR.ベーコンは数学が重要な学問であることや,自然学の研究では実験がたいせつであることを説いた。リジューの司教となったニコル・オレームNicole Oresmeが温度の変化をグラフに表したり,分数指数を導入したりしたのは,当時としては先端的な発想であった。…

【中世科学】より

… 13世紀には,このようにしてとり入れられたギリシア,アラビアの科学の遺産の上に,ようやく西欧科学の独自な活動が開始される。ヨルダヌスは棹秤や斜面の静力学的問題を〈仕事〉や〈モーメント〉の概念を内包する原理によってみごとに証明し,グロステストは数学的演繹と経験的実証とを結びつける数学的経験科学の独自の方法論を展開し,その弟子R.ベーコンはこの方法論をさらに発展させ,光学の研究においてそれを実践した。またこのとき新たに受容されたアリストテレスの自然学は,アルベルトゥス・マグヌスやトマス・アクイナスに大きな影響を与え,科学知識の原理的再編成がなされた。…

【武器】より

…実際は急速に実用化されながら火器に対する違和感が永く残ったためで,砲を〈悪魔の武器〉と呼んでいる例があるし,捕虜となった砲手は惨殺されることが多かったという。現存する最古の黒色火薬処方はR.ベーコンのもので(1267ごろ),それには硝石41.2,硫黄29.4,木炭末29.4の配合比が示されている。1400年ごろの処方例では71.0,12.9,16.1と現在のそれに酷似したものがあるから,火薬の製法は急速に発達したのである。…

【眼鏡】より

…【高田 孝】
[歴史とファッション]
 セネカ(前4ころ‐後65)はローマ図書館で水球儀を通して文字を拡大して本を読んだという。イギリスのR.ベーコンが《大著作》(1266‐68執筆)でレンズの効用を書いたことから彼を始祖とする説も多いが,他にフィレンツェの貴族サルビノ・デリ・アルマティ,ピサのアレッサンドロ・デラ・スピーナ(ともに14世紀初めに没)などの説もある。また,13世紀初めの中国の文献《洞天清録》に靉靆(あいたい)(眼鏡)の項があることから中国を発生の地とする説もある。…

【ロボット】より

…中世以降には錬金術師がレトルトの中で合成するという矮人ホムンクルスの伝説も流布した。またR.ベーコンは〈青銅の頭〉と呼ばれる人工の頭部をつくり予言を行わせたという。機械じかけの人形を製作することは,それ以降近世にかけて特に盛んに行われるようになり,近代的ロボットの前史を形成した。…

【イギリス美術】より

…S.フロイトの孫),パイパーJohn Piper(1903‐92),ジョーンズDavid Jones(1895‐74)らはシュルレアリスムその他のモダニズムの影響を受けながら,戦後の具象絵画に新たな展開をもたらした。特にF.ベーコンは現代の不安や恐怖,悲劇を独特のデフォルメと色彩によって表現し,現代イギリスの最も注目すべき画家の一人となった。戦後のイギリスはまたアメリカに先んじて1955年ころからポップ・アートを生み出した。…

【イギリス経験論】より

…端的に,人間と自然との交渉のうちに成り立つ自然的経験世界の定立から,人間の間主観的相互性を通して再生産される社会的経験世界の発見に至る経験概念の不断の拡大傾向がそれである。こうした動向に注目するかぎり,イギリス経験論の歴史的サイクルは,通説よりもはるかに長く,むしろF.ベーコンによって始められ,A.スミスによって閉じられたと解するほうがより適切であると言ってよい。その経緯はほぼ次のように点描することができる。…

【機械論】より

…機械論の再出発は17世紀初頭のヨーロッパで行われた。その背景には中世における建築技術の発達や機械時計の完成,さらに大砲の開発による投射体の運動の研究や航海術の進歩に伴う位置決定の課題などがあったのであるが,17世紀はじめに,それまで支配的な自然観・社会観であった目的論的・有機体論的なアリストテレス主義と,隠れた性質を認めるヘルメス主義を批判してF.ベーコンが新しい要素論を唱え,デカルトが魂と物体を明確に区別して物体から内的目的や隠れた性質を排除し,自然を〈延長〉としてとらえ,運動を位置の変化として幾何学的に研究する方法を打ち立てて,近代の機械論が成立した。すなわちデカルトは,当時完成した機械であった時計をモデルとして,自然を外から与えられる運動によって〈法則〉に従って動く部分の集合であると見たのである。…

【技術史】より

…最も早く近世に入った中国では,沈括(しんかつ)が《夢渓筆談》で活字印刷術や磁針その他について多数記述し,曾公亮の《武経総要》は磁針や火薬をはじめとする多数の技術記録を残した。西欧では,ビラール・ド・オヌクールがその《画帖》に当時の技術を記録しているが,とくに15~16世紀に新技術を記載した書物が多数出現し,F.ベーコンはこれらの技術誌を学問の中に位置づける新しい学問分類を提案した。ベーコンの重要な点は,他の学問と違って〈機械的技術においては,最初の考案はごくわずかなことしかなしとげず,時がこれにつけたして完成する〉として,技術の進歩が蓄積的で改良・洗練されていくものであることに注目したことと,〈技術史(誌)の効用はすべての歴史(誌)のうちで自然哲学のために最も根本的で基本的なものである〉として技術史(誌)の研究を提唱した(1605)ことである。…

【偶像】より

…この意味では神像や仏像と同じであるが,とくに〈偶像〉という場合には,真のものではない別の姿ないし中間に介在するものという意味合いを含んでいる。哲学用語としては姿とか像を意味するラテン語のイドラidola(単数形idolum,英語のアイドルidolの語源)の訳語であるが,ルネサンス期にG.ブルーノが本当のものを見えなくさせる先入見の意味でこの語を用い,ついでF.ベーコンが〈人間の知性をとりこにしている偶像〉を分析して,人類なるがゆえに人間本性にひそむものを〈種族の偶像idola tribus〉,個人のもつ先入見を〈洞窟の偶像idola specus〉,社会生活から起こる偏見を〈市場の偶像idola fori〉,学説から生じるものを〈劇場の偶像idola theatri〉と名付け,ありのままの認識が困難であることを示した。とくに生得的な偶像は取り除くことができないとベーコンは言っている。…

【クック】より

…1606年に人民訴訟裁判所首席裁判官に任ぜられると(1613まで),コモン・ローの至上性の強い主張者となり,以後国王,宗教裁判所,衡平法裁判所など国王大権および非コモン・ロー裁判所に対して,コモン・ロー,コモン・ロー裁判所の優位を主張し続ける。13年にはジェームズ1世が,クックの宿敵F.ベーコンの画策に従い,クックをその意に反して王座裁判所首席裁判官に昇任させ,併せて枢密顧問官に任じた。しかし15年に衡平法裁判所の管轄権をめぐり大法官エルズミアLord Ellesmereと争い,エルズミアおよびベーコンと結んだ国王の裁定に敗れ,首席裁判官も枢密顧問官も免ぜられた(1616。…

【自然】より

…人間もまた自然と同格のものではなく,むしろ自然の上にあってこれを支配し利用する権利を神からさずかったものとなる。こうした中世の自然観は,J.S.エリウゲナからシャルトル学派を通じ,R.ベーコンにいたる系譜において,しだいにはっきりした形をとる。近代西欧の自然観も本質的にはこの中世キリスト教世界に含まれていた自然観を継承し,いっそう方法的に自覚発展させたと言える。…

【自然誌】より

…この傾向はルネサンス時代にさらに進み,いわゆる〈地理上の発見〉によって珍しい動植物がヨーロッパにもたらされたうえ,印刷技術が進んだので各種の図譜が刊行され,ついに16世紀にゲスナーやアルドロバンディによって正確で網羅的な自然誌が出された。これらの自然研究はそれまでの学問体系(自由七科)になかったもので,これを受けてF.ベーコンは技術誌を含めた自然誌を新しい学問体系の冒頭に位置づけた。ベーコン自身は膨大な自然誌の草稿を残したが個人では完成できず,その夢は18世紀フランスの《百科全書》で実現した。…

【実験】より

…この実験精神を用意したものの一つが1543年のラテン語訳《アルキメデス全集》の刊行であった。F.ベーコンは実験を重視し,技術と数学の両契機の重要性を指摘してはいたが,自然を等質空間と見る視点を欠いていたので彼の実験は結局experienceの域を出ることができなかった。アルキメデスの方法を受けついで〈実験〉を実現したのは,オランダのS.ステフィン,イギリスのノーマンRobert NormanやW.ギルバート,イタリアのガリレイらであった。…

【大陸移動説】より

…ドイツのA.L.ウェゲナーが1912年に二つの論文として発表し,15年に《大陸と海洋の起源》と題する本として出版したのが本格的な学説としてとりあげられた最初とされる。 大西洋の両岸の海岸線の形がよく似ていることは1620年にイギリスの哲学者F.ベーコンによって指摘されていたが,長い間これは聖書に記された大洪水によって削られてできたと考えられていた。1858年に発表されたA.シュナイダーの考えは現代の大陸移動説や海洋底拡大説に近いところがあったが,天変地異観をぬけ出ていなかった。…

【図書館】より

…コレクションはアリストテレスの文庫にならって,(1)詩,(2)歴史,(3)哲学,(4)修辞,(5)雑,に分類された。この分類の仕方は順序こそ違え,17世紀になってF.ベーコンが知識の分類にあげる3区分(哲学,歴史,詩)にほぼ対応する。 小アジアのペルガモンにもエウメネス2世の建てた図書館があったが,後年エジプト女王クレオパトラの歓心を買うため,ローマの将軍アントニウスがここの蔵書を彼女に与え,大量の本がアレクサンドリア図書館に入ったとの伝説が生まれた。…

【図書分類法】より

… 書物の分類は人知の増大・拡張の反映でもあって,知識の分類と相たずさえながら進展してきた。図書分類の近世・近代における淵源は,17世紀のはじめF.ベーコンの行った知識分類である。彼は,学問の世界を人間心理の三つの働き,すなわち〈理性reason〉と〈記憶memory〉と〈想像imagination〉によって三大別した。…

【熱】より

…近代科学が誕生した17世紀にはどちらかというと後者の熱の運動論が支配的であった。F.ベーコンは《ノウム・オルガヌム》の中で,自然認識における正しい推論の例として熱の本性を問題にし,熱が小分子の運動であるという主張を詳しく展開している。R.ボイル,R.フック,I.ニュートンらもこの立場をとったが,当時は定性的な議論以上には出なかった。…

【ノウム・オルガヌム】より

F.ベーコンの著作。最初1620年に《大革新》の第2部として刊行され,著者死後の45年にオランダで再刊されたとき,この名が付けられた。…

【分類】より

…5世紀にマルティアヌス・カペラが後の二つを落として自由七科ができた。17世紀初頭に新しい学問や技術の発展をふまえてF.ベーコンが新しい分類(図3)を始め,フランスの《百科全書》(図4)に引きつがれたが,19世紀にA.コントが歴史的,論理的順序による分類(図5)を提唱して,これが現在も大学の教科編成や図書の分類に用いられている。劇を喜劇,悲劇,頌歌に分類したのは前3世紀の詩人カリマコスであるが,彼はアレクサンドリアの図書館司書だったので,図書目録のための分類であった。…

【魔術】より

…またキリスト教にいう悪魔と関係をもつ魔術を黒(くろ)魔術black magic,天使や善き精霊の力を借りる術を白魔術white magicとして区別した。しかしF.ベーコンなどにより〈真正の魔術〉と呼ばれた自然魔術natural magicは,霊魂ではなく医薬や磁力や言語の表象機能を魔力の源泉とするもので,ルネサンス期の魔術観の中核を占めた。これらは,対象と手段とに応じて占星術や錬金術,カバラの術などに細分され,近代科学の有力な一源泉になる一方,星や太陽の影響力を正しく測定し人間の未来を予言する万物照応の術,すなわち手相,人相,骨相などを含む観相術をも発展させた。…

【ユートピア】より

…17世紀初頭には著名な2例があらわれる。T.カンパネラ《太陽の都》(1623),F.ベーコン《ニュー・アトランティス》(1627)である。この両作品は,モアの《ユートピア》と同じく海を隔てた陸地もしくは島に場をさだめ,住民の明察とともに,素朴な自然性をも称揚している。…

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