ウバーレ(読み)うばーれ(その他表記)uvala

デジタル大辞泉 「ウバーレ」の意味・読み・例文・類語

ウバーレ(〈ドイツ〉Uvala)

石灰岩地域でみられる大規模な凹地くぼち複数ドリーネがさらなる浸食でつながって形成される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウバーレ」の意味・わかりやすい解説

ウバーレ
うばーれ
uvala

石灰岩地域にみられる凹(おう)地形で、ドリーネより大きく、ポリエより小さいものをいう。その平面形は細長い楕円(だえん)形をしており、長さは1キロメートルぐらいが標準的である。凹地の周囲は急崖(きゅうがい)をなしており、底は幅広く、かならずしも平坦(へいたん)ではない。成因は、ドリーネが発達して隣接のドリーネを結合する場合、地下の鍾乳洞(しょうにゅうどう)の上盤の落下による陥没の場合、両者の結合によるものなどである。

[三井嘉都夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウバーレ」の意味・わかりやすい解説

ウバーレ
uvala; uvale

カルスト地形一種。隣接するいくつかのドリーネ (すり鉢状の凹地) が,浸食の進行によって連続したもの。もとボスニア・ヘルツェゴビナのボスニア地方の石灰岩地域で用いられた用語日本では山口県秋吉台に発達。

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百科事典マイペディア 「ウバーレ」の意味・わかりやすい解説

ウバーレ

カルスト地形の一つ。ドリーネの溶食が進んで,楕円状のくぼ地になったもの。

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世界大百科事典(旧版)内のウバーレの言及

【カルスト地形】より

…一般に多雨地域ほどドリーネ密度は高い傾向がある。ドリーネがしだいに発達拡大して,隣のドリーネと連なり,さらに広い不整形の凹地となったものをウバーレuvaleという。 これらの凹地の底には,石灰岩中の不純物(粘土など)がテラ・ロッサと呼ばれる赤色の風化残留土となって集積する。…

【浸食作用】より

…地表にはドリーネと呼ぶすり鉢形の吸込み穴が多数うがたれ,地下には地下水の溶食によって規模の大きな洞穴が生じ,きわめて特徴的な地形をつくる。しばしば〈ろうそく岩〉にみたてられるヘイスタックhaystackと呼ぶ岩塔,岩面を刻む細かい溝のラピエ,ドリーネが連合したウバーレ,大型の凹地ポリエなど溶食に特有な地形を合わせ,カルスト地形と呼んでいる。その地域の地下水面がカルストの浸食基準面にあてはまる。…

※「ウバーレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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