石灰岩地域に発達するカルスト地形の一種。石灰岩などの可溶性岩石の地域では,溶食作用によってドリーネやウバーレなど特殊な凹地形が生じ,これらの凹地がしだいに発達して,急斜面で囲まれた盆地状の地形となり,その底面に平坦な沖積平野が広がっているものをポリエと呼ぶ。ポリエとはセルビア・クロアチア語で,元来は耕地を意味する語である。ポリエがふつうの盆地と異なるところは,下流の一部が開いて峡谷をなすこともあるが,多くの場合出口のない閉じられた盆地である点で,山麓付近に湧泉(湧水洞),吸込穴(ポノールponor)があり,河川は涸れ川になっていることが多いが,長雨時には氾濫したり,一時湖水化することもある。日本では,山口県の秋吉台周辺に小規模ではあるが,この種のカルスト平野が見られる。
執筆者:三浦 肇
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…これらの盲谷や袋谷はカルスト地形特有の河谷地形として注目される。 石灰岩地の凹地帯や盲谷,袋谷などがしだいに発達して,平たんな盆地状の沖積低地が現れるようになると,このようなカルスト平野をポリエpoljeと呼ぶ。ポリエは普通の盆地と違って,出口のない閉じた盆地で,山麓にはポノールや湧泉が分布し,しばしば排水が不十分で,多雨期には湧泉からの溢水や河川の氾濫によって,一時的に湖水を生ずることもある。…
…これらの盲谷や袋谷はカルスト地形特有の河谷地形として注目される。 石灰岩地の凹地帯や盲谷,袋谷などがしだいに発達して,平たんな盆地状の沖積低地が現れるようになると,このようなカルスト平野をポリエpoljeと呼ぶ。ポリエは普通の盆地と違って,出口のない閉じた盆地で,山麓にはポノールや湧泉が分布し,しばしば排水が不十分で,多雨期には湧泉からの溢水や河川の氾濫によって,一時的に湖水を生ずることもある。…
…地表にはドリーネと呼ぶすり鉢形の吸込み穴が多数うがたれ,地下には地下水の溶食によって規模の大きな洞穴が生じ,きわめて特徴的な地形をつくる。しばしば〈ろうそく岩〉にみたてられるヘイスタックhaystackと呼ぶ岩塔,岩面を刻む細かい溝のラピエ,ドリーネが連合したウバーレ,大型の凹地ポリエなど溶食に特有な地形を合わせ,カルスト地形と呼んでいる。その地域の地下水面がカルストの浸食基準面にあてはまる。…
※「ポリエ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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