類オーストラリア人種という意味で、オーストラリア・アボリジニーとその類縁人種を一括していう。今日のいわゆる白人の祖型としてコーカソイドのなかに入れられたり、独立の人種系種(人種の大分類)にあげられたりする。その特徴として、眉上弓(びじょうきゅう)がひさしのように張り、目や鼻根部がくぼみ、顔は上下に短く幅広い。鼻は低く、非常に幅広い。口が大きく、唇は厚いが、それほどめくれ返ってはいない。額は狭く、いくらか後退している。長頭。現生人類で最大の歯をもち、そのため突顎(とつがく)を示す。皮膚の色は全般的にチョコレート色であるが、日光の量と関連し、赤道から遠く離れた地方ほど色が薄くなる。毛髪や、目の虹彩(こうさい)の色はほとんどの場合において褐色である。オーストラリア中央部の諸族では、幼児期にほぼ全員が金髪であり、西部地域でもその率は高い。毛は波状である。体毛や顔毛の量は多い。身長はさまざまであるが、体はやせて、四肢も細長い。この体形は体重に比べて体表面積が大きいため、暑熱の砂漠に適しているといえる。血液型はほかの集団とは大幅に異なり、ABO式ではB型が著しく少なく、またMN式ではN型が高率である。
オーストラロイドはオーストラリア大陸に広く分布するが、地域差が大きい。たとえば大陸北東部のクイーンズランドには、成人男子の平均身長が150センチメートルという短身で、頭髪が著しく縮れているなどのピグミー的要素をもつ部族が住んでいる。またバードセルJoseph B. Birdsellによれば、大陸北部にカーペンタリア人、南東部にマリ人が住み、中央砂漠地帯には中間的なものが分布するという。オーストラリア大陸以外のオーストラロイドとしては、ニューギニアのパプア人との近縁性が考えられる。インド南部やスリランカ奥地に住むベッダはオーストラロイドに似るが、体毛は少ない。
[香原志勢]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
…これまでにオーストラリアで出土した最古の化石人骨は,ニュー・サウス・ウェールズ州西部のマンゴ湖近傍から出土した女性人骨で,炭素14法による年代測定の結果,およそ2万6000年前のものとされている。アボリジニーは人種上オーストラロイドの名で呼ばれている。概して中等度の身長,波状毛,突出した眉上弓,くぼんだ目,広鼻,厚い唇,長頭,赤褐色ないしチョコレート色の皮膚,多毛性などを身体形質上の特徴とする。…
※「オーストラロイド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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