パプア人

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

パプア人

ニューギニア島で、長い間原始的な生活を送っていたメラネシア系先住民。オランダ統治下にあった西半分が69年にインドネシアに併合。スハルト時代に移民が奨励された結果、非パプア人が増え、現在約250万人のうち、パプア人は160万人余りとされる。政治や経済活動は非パプア人が主に担う一方、パプア人の生活や教育レベルは低く、中央政府への不満が根強い。98年のスハルト体制崩壊後、独立要求が強まった。インドネシア政府は99年、40年以上くすぶる独立運動を分断する狙いでパプア州の3分割を決定。しかしパプア人は強く反対、非パプア人比率の高い西イリアンジャヤ州のみが03年に分離・発足した。憲法裁は04年11月、政府決定は違憲で無効とする一方、すでに実体があるとの理由から州の存在は認めると判断。西イリアンジャヤ州は法的根拠がないまま存続するという異例の事態となり、政府と住民の話し合いが続けられていた。

(2006-03-11 朝日新聞 朝刊 1外報)

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世界大百科事典 第2版の解説

パプアじん【パプア人 Papuan】

ニューギニア島の高地に住む人々を指す場合と,パプア・ニューギニア(ニューギニア島東部)に住む人々を指す場合がある。高地に住む人々は,人種的にはオーストラロイドまたはオセアニック・ネグリトといわれ,アジア大陸から太平洋に向かって押し出された最古の集団である。これらの人々は約3万年前にニューギニア島に到着していたが,後から来たモンゴロイド系に高地に追いやられた。一般にニューギニア高地人と呼ばれ,他のメラネシア地域とは異なる人種集団を形成している。

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世界大百科事典内のパプア人の言及

【オセアニア】より

…物質生活は貧困であったが,二重単系出自に基づく複雑な社会組織をつくり,トーテミズムとして知られる宗教観念を発達させていた。(2)パプア人とメラネシア人 メラネシアの住民は一般に黒色の皮膚と渦状毛もしくは縮毛を特徴とするところから,従来アフリカ黒人と同類のニグロイド人種に分類されがちであったが,最近の遺伝学的研究ではこの説は否定され,オーストラリアのアボリジニーと同じオーストラロイドに属するとされている。ただし,小地域ごとに割拠して長年月の孤立を続けたことと,後来のモンゴロイド人種との混血の程度とによって,現在の身体特徴にはかなりの地域差が認められる。…

※「パプア人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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