カルコ(その他表記)Francis Carco

デジタル大辞泉 「カルコ」の意味・読み・例文・類語

カルコ(Francis Carco)

[1886~1958]フランス小説家詩人無名芸術家や、下町庶民生活を描いた。小説追いつめられた男」「娼婦イエス」など。

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精選版 日本国語大辞典 「カルコ」の意味・読み・例文・類語

カルコ

  1. ( Francis Carco フランシス━ ) フランスの小説家、詩人。社会下積みの人間達を好んで描く。主著「街の女イエス」「追いつめられた男」「ビヨン物語」、回想記「モンマルトルからカルチエ‐ラタンヘ」など。(一八八六‐一九五八

かる‐こ

  1. 〘 名詞 〙 鴨をいう女房詞
    1. [初出の実例]「鳩をしゅ生、かるこ成仏道、しゅ生しゅ生と、うんおつ」(出典:天正本狂言・鳥説経(室町末‐近世初))

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改訂新版 世界大百科事典 「カルコ」の意味・わかりやすい解説

カルコ
Francis Carco
生没年:1886-1958

フランスの詩人,小説家。本名フランソア・カルコピーノ・チュゾリFrançois Carcopino-Tusoli。ニューカレドニアに生まれて,1910年からパリで放浪生活を始める。盛り場をさまよい歩き,娼婦泥棒ごろつき,不良少年,プレイボーイ等と交わりながら,下層民の生活のなかに詩想を感じ取ってゆく。このような生活のなかから,《ボヘミアン生活とわが心》(1912)等の詩集,《ジェジュ・ラ・カイユ》(1914),《追いつめられた男》(1922),《たかが一人の女だけど》(1924)等の小説によって,いわゆる〈幻想派〉の始祖にふさわしい,幻想的な哀愁あふれる文学世界を実現した。37年にアカデミー・ゴンクールの会員となる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルコ」の意味・わかりやすい解説

カルコ
かるこ
Francis Carco
(1886―1958)

フランスの詩人。本名はフランソア・カルコピノFrançois Carcopino。ニュー・カレドニア島のヌーメアに生まれる。パリの下町の庶民的な空気を愛し、そこに漂う愛と悲しみと人間的な不安を皮肉に歌った。代表詩集に『放浪生活とわたしの心』(1912)があるが、この表題に彼の文学のすべてが明示される。詩人として以外にも、ビヨン、ユトリロ、ベルレーヌなど、パリで生きた芸術家や詩人の伝記『フランソア・ビヨン物語』(1926)、『伝説ユトリロの生涯』(1927)、『ベルレーヌ』(1939)、あるいは『ジェジュ・ラ・カイユ(娼婦イエス)』(1914)、アカデミー・フランセーズ小説大賞を受けた『追いつめられた男』(1922)、『たかが一人の女だけれど』(1924)の作家として名高い。自伝的回想記『モンマルトルからカルチエ・ラタンへ』(1927)は貴重な文学的資料。

[窪田般彌]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルコ」の意味・わかりやすい解説

カルコ
Carco, Francis

[生]1886.7.3. ニューカレドニア,ヌメア
[没]1958.5.26. パリ
フランスの詩人,小説家。本名 François Marie Carcopino。詩集『放浪生活と私の心』 La Bohème et mon cœur (1912) で文壇に登場。『町の女イエス』 Jésus la Caille (14) 以下の小説は下層社会,特にパリのモンマルトルあたりの放浪者,売春婦,無頼漢たちの世界を描いており,淡々とした語り口を通して人間の内面に照明を当てている。人殺しを主人公にした『追いつめられた男』L'Homme traqué (22) でアカデミー小説大賞を受賞。ほかに『ビヨン物語』 Le Roman de François Villon (26) ,『霧』 Brumes (36) ,美術評論など。

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