南太平洋、メラネシア、フランス領ニュー・カレドニアの首都。ニュー・カレドニア本島南西岸に位置し、港湾都市である。国際機関の太平洋共同体(旧南太平洋委員会)本部が置かれている。旧称ポール・ド・フランスPort de France。人口7万6293(1996)、9万9926(2014センサス)。南太平洋のプチ(小)・フランスとよばれるにふさわしいフランス風の美しい町で、メラネシア第一の近代都市。その経済はニッケル鉱輸出に依存しており、日本からも明治以来6000人以上の労働者が渡航して、混血の二世、三世の時代となっている。住民は、フランス人を主とするヨーロッパ人がメラネシア人を上回って過半数を占めており、ウォリス・フトゥナ諸島からきた人々、タヒチ人や、インドネシア人、ベトナム人も入っている。ヌーメア国際空港は北西52キロメートルのトンツータTontoutaにあり、シドニー、ニュージーランドのオークランドなどへの便が毎日就航しているほか、東京へも直行便が飛ぶ。
[大島襄二]
南西太平洋,フランス領ニューカレドニアの主都。ニューカレドニア島南岸にある。人口7万6293(1996)。1854年以来フランス人により町づくりがなされ,美しい町並みから南海の小パリと呼ばれる。陸・海の交通の要所で,〈南太平洋の十字路〉という別名もある。フランス人,メラネシア人を中心にさまざまな人々が行きかう小さな国際都市である。ニッケル産業を背景に,町は南太平洋の島で最も産業化されていながら美しい風景をもち,観光客であふれている。しかし非西欧社会における西欧的近代都市という複雑な性格をもっており,農村部からの大量の人口流入に伴い,失業,労働意欲の低下などの問題が出てきている。
執筆者:吉岡 政徳
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…フランス語ではヌーベル・カレドニーNouvelle Calédonie。ローヤルティ諸島などとともにフランスの海外領ニューカレドニアを形成し,主都は南東部のヌーメア。サンゴ礁に囲まれた島で,美しい静かなラグーンがいたるところに見られる。…
※「ヌーメア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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