日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルデリ」の意味・わかりやすい解説
カルデリ
かるでり
Edvard Kardelj
(1910―1979)
旧ユーゴスラビアの政治家、理論家。リュブリャナに労働者の子として生まれる。中等学校卒業後、師範学校に入学を許可されたが、16歳で革命運動に身を投じ、非合法下のユーゴスラビア共産党に入党。第二次世界大戦前から理論家として頭角を現し、チトーの側近としてパルチザン解放戦争を闘う。戦後、ユーゴがコミンフォルムから追放されたもっとも困難な時期に外相を務め、自主管理、非同盟の社会主義建設に理論的、実践的に貢献した。国民から広範な支持を受け、体調を崩すまではチトーの後継者と目されていた。死去するまで、ユーゴスラビア社会主義連邦幹部会会員、同共産主義者同盟中央委員会幹部会員を務めた。
[柴 宜弘]
『カルデリ著、山崎洋・那美子訳『自主管理社会主義と非同盟』(1978・大月書店)』▽『カルデリ著、山崎洋訳『自主管理と民主主義』(1981・大月書店)』