スペイン北部、イベリア半島の北岸をビスケー湾に沿って東西に走る山脈。スペイン内陸部の台地メセタの北縁を限り、東はピレネー山脈に連なる。全長約450キロメートルで、南北二つの主脈に分かれる。最高峰トレド山(2648メートル)。大部分は標高1000~2000メートルで、おもに石灰岩からなる。北斜面は西岸海洋性気候のもとにあって降雨が多く、ブナ、クリ、カシなどの森林が茂る。急流が豊かな水力を提供し、オビエドからビルバオにかけての工業発展の基となっている。山脈の南側はカスティーリャ・イ・レオン地方で、海洋から隔絶されて乾燥している。石灰岩、鉄鉱石を多く産出する。
[田辺 裕・滝沢由美子]
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