カンブリア県(読み)カンブリア(英語表記)Cumbria

翻訳|Cumbria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンブリア県」の意味・わかりやすい解説

カンブリア〔県〕
カンブリア
Cumbria

イギリスイングランド北西部の県。県都カーライル。1974年の自治体再編により新設された県で,旧カンバーランド県,旧ウェストモーランド県,およびランカシャー県と旧ヨークシャー県の各一部をもって構成。大部分カンブリア山地が占め,その南西部にイングランドの最高峰スコーフェルパイク山(978m)がそびえる。カンブリア山地には氷河作用によって形成された大小 10以上の湖があり,レークディストリクト湖水地方)と呼ばれ,19世紀の初めウィリアム・ワーズワス,サミュエル・テーラー・コールリッジ,ロバート・サウジーなどのいわゆる湖畔詩人がこの風光明媚な景観をたたえて以来,イギリス有数の景勝地として知られるようになった。レークディストリクト国立公園に指定され,観光業が重要な産業となっている。7世紀にはノーサンブリア王国に支配され,のち,バイキングの侵入を受けた地域で,地名にはスカンジナビアの諸言語の要素が残されている。945年以降イングランドとスコットランドは,カンブリア北部の領有をめぐり争ったが,1157年イングランドに帰属。主要産業は観光業のほか,高地での牧羊低地での農業などで,イーデン川,ダーウェント川,エスク川など主要河川ではサケ漁が盛ん。鉱業は 12世紀以来の伝統があり,鉛,銀,鉄,石炭などが採掘される。工業ワーキントンなどで軽工業が行なわれるほか,バローインファーネス海軍工廠が,セラフィールドに核燃料再処理施設がある。面積 6768km2人口 49万8900(2005推計)。

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