湖畔詩人(読み)コハンシジン

デジタル大辞泉 「湖畔詩人」の意味・読み・例文・類語

こはん‐しじん【湖畔詩人】

Lake Poets》19世紀初頭、イングランド北西部の湖水地方に住んで詩作したワーズワースコールリッジサウジーなどロマン派詩人たちの称。

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精選版 日本国語大辞典 「湖畔詩人」の意味・読み・例文・類語

こはん‐しじん【湖畔詩人】

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Lake Poets訳語 ) 一九世紀初頭、イギリス北部の湖水地方に住み、自然に親しみながら抒情的な詩を書いたワーズワース、コールリッジ、サウジーなどロマン派の詩人たち。また、同様な傾向の詩人に対する呼称
    1. [初出の実例]「詩壇に於ける同一機運の先達たる湖畔詩人ワーヅワース、コールリッヂ」(出典:近代批評の意義(1906)〈島村抱月〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「湖畔詩人」の意味・わかりやすい解説

湖畔詩人 (こはんしじん)

Lake Poetsの訳語。19世紀初頭,イングランド北西部のレーク・ディストリクト(湖水地方)を活動舞台とした一群の詩人を指す。レーク・ディストリクトの自然は18世紀後半にその崇高美を広く知られるに至った。この地方で生を受け,青年時代の一時期を除き生涯の大半を過ごしたワーズワースの詩魂は,この地方の自然の崇高美によってはぐくまれた。彼の代表作の多くは,1799年末から1806年まで居を構えたグラースミアダブ・コティッジで書かれた。その北方十数マイルのケジックにあるグリータ・ホールには1800年から04年まで僚友コールリジが,また03年から43年までR.サウジーが住まった。〈湖畔詩人〉の呼称はこの3人に対して,《エジンバラ・レビュー》(1817年8月)が軽蔑的に与えたものである。さらにT.ド・クインシーもこの地方に住み,これらの詩人と親交があった。ただし,ワーズワースが生粋の湖畔詩人として実生活,創作ともに実り豊かであったのに対し,コールリジは実生活の破綻をきたし,詩魂の衰退を嘆くことになった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湖畔詩人」の意味・わかりやすい解説

湖畔詩人
こはんしじん
Lake Poets

イギリス19世紀初頭のロマン派詩人、ワーズワース、コールリッジ、サウジーに与えられた名称。イングランドの北西部カンブリアの湖水と山に恵まれた風光明媚(めいび)な地、いわゆる湖水地方に住み、友情に結ばれて詩作にふけった。中心的存在は、グラスミア湖周辺に住み、生涯この地の自然を歌い続けたワーズワースであり、コールリッジとの共著『叙情歌謡集』(1798)で、ヨーロッパ一円におこったロマン派復興運動の一翼を担った。3人ともそれぞれ詩風は違い、詩の一派とはいいがたい。

[船戸英夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湖畔詩人」の意味・わかりやすい解説

湖畔詩人
こはんしじん
Lake poets

イギリスの湖水地方(レークディストリクト)に住んだウィリアム・ワーズワス,サミュエル・テーラー・コールリッジ,ロバート・サウジーの 3詩人をいう。『エディンバラ・レビュー』The Edinburgh Reviewの 1817年8月号で,フランシス・ジェフリーが軽蔑的に用いたのが最初の例である。

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世界大百科事典(旧版)内の湖畔詩人の言及

【ウィンダミア[湖]】より

…湖は中央部にある島によって南北にほぼ二分される。カンブリア山地を中心とするレーク・ディストリクト地方を代表する湖であり,その風景美はワーズワース,コールリジなどの湖畔詩人によってたたえられた。東岸にあるウィンダミア,ボーネスなどの町はリゾートの基地として知られる。…

※「湖畔詩人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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