カーミヤンシケ(読み)かーみやんしけ(英語表記)Кам'янське/Kamyanske

デジタル大辞泉 「カーミヤンシケ」の意味・読み・例文・類語

カーミヤンシケ(Kamyans'ke/Кам’янське)

ウクライナ中東部、ドニプロペトロウシク州都市ドニプロ川に面し、河港を有す。ドンバス重工業地帯の代表的な工業都市の一つ。
[補説]ロシア帝国時代の名称カーメンスコエ。1936年にロシアの革命家フェリックス=ジェルジンスキーを記念してドニエプロジェルジンスク改称。ソ連解体による独立後はウクライナ語に改めドニプロジェルジンシクと称し、2016年より現名称。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーミヤンシケ」の意味・わかりやすい解説

カーミヤンシケ
かーみやんしけ
Кам'янське/Kamyanske

ウクライナのドニプロペトロウスク州の都市。ドニプロ(ドニエプル)川中流部に面し、河港がある。1936年までカーメンスコエКаменское/Kamenskoeとよばれたが、政治家ジェルジンスキーを記念してドニエプロジェルジンスクДнепродзержинск/Dneprodzerzhinskに改称。さらに2016年、カーミヤンシケに改称した。人口25万6000(2001)、23万4516(2018推計)。ドニプロ重工業地帯の一中心地で、ジェルジンスキー記念冶金(やきん)工場をはじめ、コークス化学、化学、鉄道車両などの工場が立地し、大きな火力発電所がある。産業教育施設、歴史博物館が置かれている。市の起源は18世紀なかばで、川沿いの交易場であったが、ソ連時代の第一次五か年計画(1928~1932)以降、工業化が進んだ。

 市の北方上流)に、ドニプロ川をせき止めて建設されたカーミヤンシケ貯水池がある。貯水池は長さ122キロメートル、面積567平方キロメートル、1965年完成。流量制御、灌漑(かんがい)用水と都市・工業用水採取、航行改善、養魚、発電(発電能力25万キロワット)など多目的に用いられる。

渡辺一夫

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーミヤンシケ」の意味・わかりやすい解説

カーミヤンシケ
Kamyanske

ウクライナ中東部,ドニプロペトロウシク州の都市。州都ドニプロの西約 30km,ドニプロ川(ドネプル川)に臨む。1750年頃コサック集落として始まり,1889年以降,冶金工業の成長に伴って発展した。1936年,ソビエト連邦の秘密警察長官フェリクス・ゼルジンスキーにちなんで,名称をカーミヤンシケからドネプロゼルジンスク Dneprodzerzhinsk(ウクライナ語でドニプロジェルジンシク Dniprodzerzhynsk)に変更し,2016年に旧称に戻った。ウクライナの主要工業都市の一つで,冶金工場をはじめ化学(石炭化学肥料),セメント,機械,食品などの工場がある。1964年,ドニプロ川上流にダムと水力発電所が完成した。冶金研究所や技術学校がある。人口 24万9530(2005推計)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android