アメリカの社会学者。ハーバード大学などで学ぶ。1966年来カリフォルニア大学(ロサンゼルス)教授。日常性、自明性に疑いをかけ、人々の意味付与活動の様相に注目しながら、社会的現実の構成と生活の場面の秩序づけをめぐる研究において実験的方法を開発した。現代社会学の一潮流で独自の方法とアプローチ、実践、パースペクティブで注目されているエスノメソドロジーの開拓者として知られる。パーソンズ、シュッツ、フッサールなどの業績に学ぶところが多い。生活する人々の日常的活動に注目し、日常生活の場面と背景と根底を照らし出す。パーソンズと同様に社会秩序に注目したが、視点とパースペクティブは著しく異なる。ガーフィンケルは、社会秩序の統合原理を指摘することは困難であり、社会秩序は微妙に不安定で流動的なものであるとみる。そして、生活の処方、生活する人々の意味付与活動に焦点を絞って、状況の規定と現実の構成にかかわる人々の日常的な営為の諸様相を実践的かつ実験的に研究した。主著に『エスノメソドロジー研究』Studies in Ethnomethodology(1967)がある。
[山岸 健]
『H・ガーフィンケル他著、山田富秋他編訳『エスノメソドロジー――社会学的思考の解体』(1987・せりか書房)』▽『G・サーカス、H・ガーフィンケル他著、北沢裕・西阪仰訳『日常性の解剖学――知と会話』(1995・マルジュ社)』▽『H・ガーフィンケル他著、山田富秋・好井裕明編『エスノメソドロジーの想像力』(1998・せりか書房)』▽『好井裕明・山田富秋・西阪仰編『会話分析への招待』(1999・世界思想社)』
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