キルト(その他表記)kilt

翻訳|kilt

デジタル大辞泉 「キルト」の意味・読み・例文・類語

キルト(quilt)

羊毛・羽毛などをキルティングした布団
キルティング」に同じ。

キルト(kilt)

スコットランド民族衣装で、男性が着用する格子縞スカート。氏族固有の柄があり階級も表す。

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精選版 日本国語大辞典 「キルト」の意味・読み・例文・類語

キルト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] quilt )
  2. キルティングにした羽根布団(はねぶとん)
  3. キルティング
    1. [初出の実例]「濃紫のキルトした繻子のガウンを着ただけの姿であるのに」(出典:鏡子の家(1959)〈三島由紀夫〉一)

キルト

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] kilt ) スコットランドの男子が用いた格子縞の襞(ひだ)スカート。縞模様で階級や氏族を表わした。現在は祭日、儀式の時のみ用いている。また、女子用の巻きスカートをいうこともある。
    1. [初出の実例]「腰にキルトといふものを着けてゐる」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石〉昔)

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改訂新版 世界大百科事典 「キルト」の意味・わかりやすい解説

キルト
kilt

スコットランド北部のハイランド地方で用いられてきたケルト族男性の腰衣(ようい)。語源はオランダ語のkilte(装う,巻きこむ)。現代でも日常に,あるいは正装として着用され,スコットランドの軍服や警察官の制服としても知られる。膝の出る短い巻きスカート形式で,後ろに22本前後の深いひだがたたまれ,前はひだなしでエプロン部分と呼ばれ,右前に合わせて着用する。羊毛を材料とし,ケルト族の氏族制を象徴するタータンを必ず使用する。ハイランドでは近世まで幅約1.3m,長さ5~6mの布を全身に巻きつけ,ウエストをベルトで締めたタータン・ベルテッド・プラドtartan belted plaidか,下半身はトルーズtrewsというズボンをはき,上半身にこの布を掛けたバンドリー・ファッションbandolie fashionであった。この布は夜間には寝具としても使われた。靴下をはき現代のキルト姿が現れるのは17世紀に入ってからである。1746年のジャコバイト反乱に荷担して敗れたハイランド人のキルト着用が,バッグパイプとともに禁止されたが,軍服としては残り,1783年以降ふたたび一般の服装となった。第1次大戦ころまでは女性のキルト着用は許されず,身に着けた者は侮蔑と非難の対象となった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キルト」の意味・わかりやすい解説

キルト
きると
kilt

男子用膝丈(ひざたけ)の巻きスカート。イギリス、スコットランド北部のハイランド地方の民族衣装。それぞれの氏族(クランclan)を表すタータンtartan(多色格子縞(じま)のウール地)でつくられ、氏族の男子や軍人が着用する。元来は1枚の布を体に巻き、ベルトでウエストに固定し、膝丈のスカート部と背を覆う上衣部分として着装し(ブリーカン・フェイルbreacan-feile)、ハイソックス、スポランsporran(下げ革袋)などを組み合わせた。現代のキルトはスカート部だけとなり、腰骨のあたりでバックルで締める。今日では、スコットランドの男子、軍楽隊の服装として知られているほか、婦人、子供服の基本的なスカートとして広く着用されている。キルトは元来、スコットランドあるいはサクソン語で「短くする」「体に縛り付ける」の意。

[深井晃子]

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百科事典マイペディア 「キルト」の意味・わかりやすい解説

キルト

スコットランドの男子が用いたスカート状の衣服。タータンチェックの毛織物を用い,ウエストから膝までの長さで,深いひだをたたむ。前中央に装飾のため革袋を下げるが,これはもと食糧入れであった。タータンの色柄は家柄・階級を表した。現在でもスコットランドの軍服に採用されている。一般にも儀式や祭で着用されることがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キルト」の意味・わかりやすい解説

キルト
kilt

スコットランド高地人の民族服。主として男子が着用するタータン地でつくった縦ひだのゆったりした膝丈の巻スカート。もとは1枚の格子布をウエストに巻いてスカート状にし,一方の端をプレード (肩掛け) 状にして着用していたが,17世紀にはスカートとプレードが分けられるようになった。この語は元来,スコットランド低地語やサクソン語で,短くする,体に縛るなどの意。

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世界大百科事典(旧版)内のキルトの言及

【キルティング】より

…2枚の布の間に綿か芯をはさみ,布全体にステッチしたのをイングリッシュ・キルティングといい,図柄の輪郭を2本のステッチで縫い,裏から毛糸などを詰めるのがイタリアン・キルティング。表布にアップリケまたはパッチワークをし,綿か芯をはさみ裏布と3枚重ね,表の図柄にステッチしたのがアメリカン・キルティングまたはパッチワーク・キルトともいう。〈キルト〉という言葉は,14世紀ころにラテン語から出て,マットやクッションなどの詰め袋を意味した。…

※「キルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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