タータン(英語表記)tartan

翻訳|tartan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タータン」の意味・わかりやすい解説

タータン
tartan

平織または斜文織による種々の色の大柄格子縞模様の織物タータン・チェックは日本独自の呼称。 15世紀後半頃からスコットランドの高地地方では,格子柄の毛織物をタータンと呼んでいた。大氏族はクランタータンまたはディストリクトタータンといわれる各氏族特有の柄のタータンをもち,彼らの服装,すなわちキルトプレード (肩掛け) ,ボンネット靴下,リボンなどに使用した。大氏族が分家する際には,1~2本の縞を加えて新しいタータンをつくり,これをファミリータータンと呼んだ。基本色は緑,赤,暗青色,黄,白,黒で,いずれも植物染料による独特の深みのある配色であった。 1746年イギリス議会でこの民族服の禁止令が出るまで続き,82年の解令以後,スコットランドに限らず,広く世界中で親しまれる織り柄となった。

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