日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンポウゲ科」の意味・わかりやすい解説
キンポウゲ科
きんぽうげか
[学] Ranunculaceae
双子葉植物離弁花類。多くは草であるが、まれにつるまたは小形の木もある。葉は3出複葉、あるいは掌状に切れ込む単葉。花は花被片(かひへん)を欠くもの(カラマツソウ属など)や蜜弁(みつべん)を欠くもの(フクジュソウ属など)もある。しかし多くは萼片(がくへん)または花弁となる一輪に並ぶ花被弁と、蜜を分泌する蜜弁をもち、放射相称であるが、トリカブト類のように左右相称のものもある。一般に花被片を萼片、蜜弁を花弁とよぶ。蜜弁の形は属によって異なり、トリカブト属のイの字形、オウレン属の花弁状のもの、オダマキ属の距(きょ)をつくるものなど、さまざまである。痩果(そうか)をつけるものと袋果(たいか)をつけるものの2群に大別されるが、ルイヨウショウマのように多汁質の液果をつけるものもある。花を構成する各器官が螺旋(らせん)状に配列するものが多く、被子植物のなかでも比較的原始的な植物群と考えられている。世界中に約60属2500種があり、そのうち日本には約170種が分布。アルカロイドを含む有毒植物が多いが、薬用とされるものもある。
[門田裕一 2020年3月18日]