クアラルンプール(読み)くあらるんぷーる(英語表記)Kuala Lumpur

翻訳|Kuala Lumpur

デジタル大辞泉 「クアラルンプール」の意味・読み・例文・類語

クアラ‐ルンプール(Kuala Lumpur)

マレーシアの首都。マレー半島中西部、クラン川とゴンバック川の合流点に位置する。19世紀半ばよりすず採掘で発展。住民の多くは中国系。プトラジャヤへの連邦政府機能の移転が進められている。人口、行政区158万(2008)。

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精選版 日本国語大辞典 「クアラルンプール」の意味・読み・例文・類語

クアラ‐ルンプール

  1. ( Kuala Lumpur ) マレーシア連邦の首都。マレー半島の南西部にあり、政治文化交通中心地付近で錫(すず)の採掘、ゴム栽培が行なわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クアラルンプール」の意味・わかりやすい解説

クアラ・ルンプール
くあらるんぷーる
Kuala Lumpur

マレーシアの首都。行政上は州と別格の連邦区である。マレー半島西海岸地方の中央部に位置し、クラン川の河口から約40キロメートル上流、背後の山地と低地との接点に位置する。人口129万7526(2000)。年平均気温27.1℃、年降水量2499ミリメートル。

 この地方は19世紀中ごろまではジャングルに覆われていたが、1850年代末、付近の錫(すず)鉱発見とともに中国人が入植し、クラン川とゴンバック川の合流点に小さな集落をつくった。これがクアラ・ルンプールの起源で、地名の意味は「泥んこの川」である。錫鉱採掘の発展に伴って市街はしだいに整い、19世紀末にはセランゴール州の州都となり、河口のクラン港とは鉄道で結ばれた。また周辺ではゴム園も開かれその取引も盛んになった。第二次世界大戦前の人口は10万ほどであったが、戦後独立したマレーシアの首都となってからの発展は目覚ましいものがある。

 クアラ・ルンプールは、その発展過程で東南アジア特有の複合社会の特質をよく示している。マレー人の国の首都であるが人口の過半数は中国系であり、さらにインド人、ヨーロッパ人そのほか各国人の居住割合も高い。これらは市内でもそれぞれ歴史的に居住地区を異にし、宗教、言語、文化、職業などの差異も著しい。一般に官僚軍人、警察官などはマレー系が占めるのに対し、商業、工業および専門職従事者は圧倒的に中国系が多く、交通、運輸関係従事者はインド人が多い。この差異は同時に生活水準や経済力の差異ともなって、いっそう民族的な対立を引き起こしている。1969年のマレー、中国両民族の衝突事件はその一例であった。

 市内には、国会議事堂、元首の宮殿(イスタナ・ネガラ)、国立博物館、大モスク、独立記念スタジアム、マレーシア大学、バトゥー・ケーブ(鍾乳洞(しょうにゅうどう))などがあり、熱帯樹の緑とともに美しい都市を形づくっている。ハイウェーが市街を貫き、南西23キロメートルにスパン空港があり、1998年にはクアラ・ルンプール国際空港が開港した。また1997年には、当時としては世界一高いビルであったペトロナス・ツイン・タワー(452メートル)が完成している。なお、連邦政府の大半の機能を市内から近郊のプトラジャヤに移転する計画が進んでいる。

[別技篤彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クアラルンプール」の意味・わかりやすい解説

クアラルンプール
Kuala Lumpur

マレーシアの首都。マレー半島南西部,マラッカ海峡から 40km入ったクラン川とゴンバク川の合流点に位置する。月平均気温 26.6℃ (12月) ~27.7℃ (6月) ,月降水量 117mm (7月) ~289mm (11月) 。ゴム,スズ (錫) 集散加工地で,衛星都市ペタリンジャヤを中心に工業も発達。 1857年中国人がスズ採鉱のために集落をつくり,1860年代にスズの集散地として発展。 1880年イギリス保護領セランゴールの行政中心地,1896年マラヤ連合州の主都。 1957年マラヤ連邦独立とともに首都となり,1974年周辺地域とともに連邦直轄区となった。イスラム,中国,マレーの伝統文化とヨーロッパ文化が混在し,マレー人は行政機関で,中国人は商業で影響力をもつ。主要な建物は,第2次世界大戦後建てられた国会議事堂,国立モスク,国立競技場,博物館。大戦前のものには,イスラム風のクアラルンプール駅がある。郊外にマラヤ大学,国民大学,農業大学,工科大学がある。マラヤ鉄道西岸線が通るほか,外港のクランに通じる線がある。中国人が半数以上を占め,マレー人は約4分の1。人口 149万3000(2009)。

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百科事典マイペディア 「クアラルンプール」の意味・わかりやすい解説

クアラルンプール

マレーシアの首都。スランゴール州に属す。マレー半島西部,マラッカ海峡に注ぐクラン川の河口から約80km,ゴンバク川との合流点にある。スズ,ゴム産地の中心。19世紀後半から華人の鉱山労働者の町として発展した。1890年イギリス行政官の駐在所となり,マレー半島の中心地として開発が進んだ。半島を縦断する鉄道が通る。周辺のベタリン・ジャヤ,シャー・アラムなどとともに大都市圏を形成する。同国の経済発展を反映するように,新国際空港,世界上位のペトロナスタワーがある。大学,王宮,博物館,世界最大のモスクがある。130万5792人(2000)。
→関連項目マレーシア

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「クアラルンプール」の解説

クアラルンプール
Kuala Lumpur

マレーシアの首都。マレー半島西部のゴンバク川とクラン川の合流点に形成されたマレーシア最大の都市。1850年代に錫(すず)埋蔵地が発見され,その採掘に従事した華人労働者の居住地から都市へと発展した。80年のスランゴール州イギリス植民地政庁の移転を契機に行政の中心地となり,96年に成立したマレー連合州の首都もここに置かれた。住民の多くは広東系の華人だが,近年はマレー人の流入がふえている。

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