インド、デリー近郊のクトゥブ・モスク(別名マスジッド・クッワトゥル・イスラム)に付属する高塔。ミナールはイスラム寺院の一部で、礼拝のとき僧があがって信者に時を知らせる機能を有する。この塔は13世紀初めに創建され、円柱形で5層からなり、上にゆくにしたがって細くなり、途中に四つのバルコニーがある。第4、第5層は14世紀の改築。塔の高さは72メートル、インドに残る最古のイスラム建築として名高い。いまは崩壊がひどいが、礼拝の間の正面壁に残る赤砂岩製の大きなアーチや、回廊式の百柱の間はインド初期イスラム建築の様式を伝えるものとして貴重である。1993年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[永井信一]
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…12世紀末に北インドを征服したクトゥブッディーン・アイバクが1192‐98年に創建し,以後1世紀あまりの間に2度拡張され,現在ではかなり荒廃している。当初の部分の南東に建つクトゥブ・ミナールQuṭb‐Minārは,やはりクトゥブッディーンにより創建されたインド最大・最古のミナレット(尖塔)で,基部の直径14.3m,高さ72.5m。内部に螺旋階段を備え,外観は5層よりなり各層にバルコニーをつけている。…
…インドの首都。連邦直轄領(面積1484km2)を形成し,行政的にはデリー(面積1398km2),ニューデリー(面積43km2),デリー軍事区(面積43km2)の三つに区分される。都市部人口は720万7000,農村部を含む人口は942万1000(1991)。ウッタル・プラデーシュ州とハリヤーナー州との州境部に位置し,東をヤムナー川,西と南をアラーバリ山地の最北にあたるデリー丘陵に囲まれたいわゆるデリー三角地にあたる。…
※「クトゥブミナール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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