ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレティエン」の意味・わかりやすい解説
クレティエン
Chrétien, Jean
カナダの政治家,弁護士。首相(在任 1993~2003)。フルネーム Joseph-Jacques-Jean Chrétien。労働者階級の家庭に生まれた。ラバル大学法学部を卒業,1958年弁護士資格を取得,1963年下院議員に初当選。ピアソン政権で頭角を現して政務次官,閣僚など要職を歴任し,次のトルドー政権で 1968~74年インディアン問題・北部開発大臣を務め,1977年にはフランス系カナダ人として初めて財務大臣に就任した。敏腕のやり手政治家として知られ,1980~82年法務大臣兼司法長官,1982~84年エネルギー大臣を務め,1984年副首相に就任した。1984年,トルドー引退後の自由党党首選挙に敗れ,1986年に下院議員を辞職。1990年下院に復帰して自由党党首に就任した。1993年の選挙で与党進歩保守党に圧勝し,首相の座についた。1995年にはケベック州の分離独立の是非を問う州民投票で連邦離脱案が僅差で否決され,首相として難局を乗り切った(→ケベック問題)。2000年に 3選を果たし,カナダの政治家として 1945年以降初めて 3期連続で首相を務めた。2003年アメリカ合衆国のイラク戦争に対し,カナダ軍派遣拒否を表明したため対米関係に緊張が生じた。2003年に首相を辞任。2009年メリット勲章を授与された。
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