クロムミョウバン(英語表記)chromium alum

  • chrome alum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クロムを含むミョウバン。一般式 MCr(SO4)2・12H2O で表わされる。Mはナトリウムカリウムアンモニウムなどを表わす。カリウム塩は赤紫色正八面体結晶で,最も一般的である。媒染剤として用いられ,また皮なめしに使用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

3価の金属イオンとしてクロム(Ⅲ)を含むミョウバンで、一般式MCr(SO4)2・12H2Oで表される。1価陽イオンMとしては、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウム、タリウム、アンモニウムなどがある。単にクロムミョウバンというときにはカリウム塩CrK(SO4)2・12H2O(ビス(硫酸)クロムカリウム十二水和物)をいう。紫赤色正八面体の結晶で、カリウム塩は25℃の水100グラムに24.4グラム溶ける。媒染剤あるいは製革に利用される。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版の解説

M Cr(SO4)2・12H2O(M = Na,K,NH4,Rb,Cs,TIなど)で示される化合物.普通は M = Kのカリウムクロムミョウバンをさす.クロムミョウバンは,一般に硫酸クロム(Ⅲ)と,相手の金属の硫酸塩の混合水溶液を濃縮,析出させると得られる.結晶はカリウムミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)と同形で,等軸晶系の正八面体型結晶を生じ,ほかのミョウバンと混晶もつくる.結晶は濃紫色であるが,透過光はルビー赤色である.結晶には,正八面体型の [Cr(OH2)6]3+ および [M(OH2)6] と,正四面体型のSO42-を含む.カリウムクロムミョウバン(硫酸カリウムクロム(Ⅲ)・十二水和物:CrK(SO4)2・12H2O(499.46))は,濃紫赤色の結晶で,一般製法のほかにK2Cr2O7の硫酸酸性水溶液にSO2を通し,還元すると得られる.正八面体型のCr-O1.94 Å,K-O2.97 Å.正四面体型のS-O1.53 Å.密度1.83 g cm-3.結晶を加熱すると脱水され,順次六,三,一水和物にかわる.六水和物は紫色,三,および一水和物は緑色であり,加熱すると約78 ℃ で緑変する.89 ℃ で融解し,約400 ℃ で無水物となり,同時に分解が起こる.水溶液は室温では紫色であるが,加熱すると50~70 ℃ で緑色となる.室温に放置すると数週間でもとの紫色に戻る.媒染,皮なめし,ほかのクロム化合物製造の原料などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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