ルビジウム(英語表記)rubidium

翻訳|rubidium

デジタル大辞泉 「ルビジウム」の意味・読み・例文・類語

ルビジウム(rubidium)

アルカリ金属元素の一。単体銀白色の軟らかい金属。化学的性質カリウムに似る。炎色反応紅紫色元素記号Rb 原子番号37。原子量85.47。

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精選版 日本国語大辞典 「ルビジウム」の意味・読み・例文・類語

ルビジウム

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Rubidium ) 第三七番元素。元素記号 Rb 原子量八五・四六七八。アルカリ金属の一つ。他のアルカリ金属に伴ってひろく産出する。炎色反応で示す赤い色から命名された。銀白色の軟らかい金属。きわめて活性が高い。

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改訂新版 世界大百科事典 「ルビジウム」の意味・わかりやすい解説

ルビジウム
rubidium

周期表第Ⅰ族に属するアルカリ金属元素の一つ。1861年R.W.E.ブンゼンとG.R.キルヒホフが,鱗雲母から抽出したアルカリ金属塩化白金酸塩中に発光スペクトルによって発見,このスペクトル輝線が暗赤色であったので,ラテン語rubidus(赤色の)にちなんで命名された。単体は塩の溶融電解でブンゼンがはじめて単離した。他のアルカリ金属に随伴してきわめて少量ながら広く産出する。鱗雲母中に比較的多く含まれ,鉱泉水中に見いだされることもある。植物灰中にカリウムに随伴して微量含まれる。

銀白色の軟らかい金属。体心立方格子。格子定数a=5.610Å(-196℃)。比熱0.0711cal/K・g。融解熱6.1cal/g。比抵抗1.2×10⁻6Ωcm(0℃)。高純度のルビジウム塩は紅紫色の炎色を示す。陽性のきわめて強い元素で,単体の反応性はセシウムに次ぐ。気体は青色。常温の空気中でただちに酸化されて酸化物Rb2Oとなり,過剰の酸素との反応で超酸化物RbO2を生ずる。ハロゲンとは直接反応する。水と激しく反応し,水素を発生して水酸化物RbOHになる。酸,エチルアルコールとは水素を発生して,対応する塩またはエトキシドを与える。液体アンモニアに溶けて溶媒和電子eの青色となるが,時間とともにアミドRbNH2に変わる。水銀とアマルガムをつくる。電気陰性度0.8。酸化電位E°=2.99V(Rb(金属)─→Rb⁺(水)+e⁻)。空気との接触を避けて石油,パラフィン油中に保存する。

二クロム酸ルビジウムRb2Cr2O7ジルコニウムによる真空加熱還元およびアジ化ルビジウムRbN3の真空加熱による。工業的には鱗雲母からのリチウム製造時の副産物として取り出され,塩化物を金属カルシウムなどで750℃で減圧還元して得られる。光電池の原料とされる。87Rbは岩石の年代決定に利用される。
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化学辞典 第2版 「ルビジウム」の解説

ルビジウム
ルビジウム
rubidium

Rb.原子番号37の元素.電子配置1s22s22p63s23p63d104s24p65s1の周期表1族アルカリ金属元素.原子量85.47.1種類の安定同位体と14種類の放射性同位体がある.天然には,非放射性の85Rb(72.165%)と放射性の87Rb(27.835%)が存在する.1861年R.W.E. Bunsen(ブンゼン)とG.R. Kirchhoffが分光分析により発見した.
天然には,紅雲母(リチア雲母,鱗雲母)などの鉱石や鉱泉中に少量見いだされる.地殻中の存在度32 ppm.金属は塩化ルビジウムを真空中でカルシウムと熱し,還元すると得られる.銀白色の軟らかい金属.体心立方格子構造.格子定数a = 0.562 nm.金属結合半径2.47 Å.密度1.53 g cm-3(20 ℃).融点38.89 ℃,沸点688 ℃.第一イオン化エネルギー4.176 eV.炎色反応は紅紫色で,元素名は,その色を示すラテン語rubidusに由来する.化学的性質はカルシウムに似ているが,より活性が高い.空気中でただちに酸化されて表面がくもるが,高温では超酸化物RbO2を生じる.水素,ハロゲンと直接化合する.水とはげしく反応して水素と水酸化物を生じる.水銀とアマルガムをつくり,ほかのアルカリ金属とは固溶体をつくる.化合物中ではつねに酸化数1の陽イオンとして存在する.塩はカリウム塩と同形で,水に対する溶解性も類似している.
真空管ゲッターや光電池に用いられる.また,87Rbはβ崩壊して87Srになるが,その半減期が4.8×1010 y と長いので,107 y よりも古い岩石の年代測定に利用される(ルビジウム-ストロンチウム年代測定法).ルビジウム塩はガラスや陶磁器の製造原料に用いられる.[CAS 7440-17-7]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルビジウム」の意味・わかりやすい解説

ルビジウム
るびじうむ
rubidium

周期表第1族に属し、アルカリ金属元素の一つ。1861年、ドイツのキルヒホッフとブンゼンは、紅雲母(うんも)試料の発光スペクトルを観測中、暗赤色領域に新しいスペクトル線を発見し、このスペクトルを示す新元素に、暗赤色を意味するラテン語rubidusにちなんでルビジウムの名を与えた。その後ブンゼンは、塩化物の融解電解によって金属単体を得ることに成功している。地殻中に少量ずつ広く分布しているが、ルビジウムの鉱石といったものはなく、紅雲母、長石、カーナル石などのカリウム鉱中にセシウムとともに存在する。無水塩化ルビジウムを真空中でカルシウムによって熱還元する方法や、アジ化物の熱分解などの方法によって製造される。銀白色の軟らかい金属で、化学的性質はカリウムに似ているが、それよりは激しい。乾いた空気または酸素中では常温でも激しく反応し、超酸化物KO2を与える。水、アルコールとは水素を放って激しく反応する。合金としての重要な用途はなく、光電池の製造に少量利用される程度である。

[鳥居泰男]



ルビジウム(データノート)
るびじうむでーたのーと

ルビジウム
 元素記号  Rb
 原子番号  37
 原子量   85.4678±3
 融点    39.31℃
 沸点    688℃
 比重    1.53
 結晶系   立方

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルビジウム」の意味・わかりやすい解説

ルビジウム
rubidium

元素記号 Rb ,原子番号 37,原子量 85.4678。周期表1族,アルカリ金属の1つで,イオン化エネルギーが小さく,1価の陽イオンになりやすい。主要鉱物はリシア雲母,トリフィル石,黝輝石などで,地殻に広く分布する。平均含有量 90ppm,海水中の存在量 0.12 mg/l 。 1861年 R.ブンゼンと G.キルヒホフによりリシア雲母中から分光分析法により発見された。単体はカリウムに似た銀白色金属で,融点 38.5℃,比重 1.53。非常に活性で,水を激しく分解して水素を発生する。液体アンモニアに溶け,アミドを生じ,水銀とはアマルガムを形成する。用途は広くなく,光電池の製造に利用される程度である。

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百科事典マイペディア 「ルビジウム」の意味・わかりやすい解説

ルビジウム

元素記号はRb。原子番号37,原子量85.4678。融点38.89℃,沸点688℃。アルカリ金属元素の一つ。1860年ブンゼン,キルヒホフが発見。灰白色のやわらかい金属。化学的性質はカリウムによく似る。炎色反応は深赤色。天然には他のアルカリ金属に伴ってわずかではあるが広く産する。

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栄養・生化学辞典 「ルビジウム」の解説

ルビジウム

 原子番号37,原子量85.4678,元素記号Rb,1族(旧Ia族)の元素.アルカリ金属に属する.生物の必須元素ではない.

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