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グライダー競技 グライダーきょうぎgliding; soaring

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グライダー競技
グライダーきょうぎ
gliding; soaring

グライダーを操縦して飛行速度,距離,高度などを競う競技。第1次世界大戦後,エンジン付き飛行機の製造が禁止されたドイツでスポーツとして行なわれ始めた。 1920年代から国際競技会が開かれ,1936年のベルリン・オリンピック競技大会でもオープン競技として実施された。 1948年から国際航空連盟 FAI主催で世界選手権大会が隔年開催されている。日本では第2次世界大戦後に本格的に広まり,世界選手権大会にも 1956年フランス大会から参加している。競技は使用するグライダーにより,最大総重量 850kg以内なら機体の形式,装備に制限がない「オープンクラス」,翼幅が 18m以内の「18mクラス」,翼幅が 15m以内の「15mクラス」などに分けられる。競技は基本的に,目的地まで,2地点間の往復,3地点を周回するコースなどで速度,飛行距離を競い,あるいは両方の総合ポイントで争う。地形や天候に左右されるため,コースや距離はまちまちで,100km程度から 1000kmをこえることもある。「目的地直線距離」「自由往復距離」「3旋点距離」「自由3旋点距離」などの種目名がつけられている。このほか,自力で上昇した高度を競う「獲得高度」,滑空中に達した最大海抜高度を競う「絶対高度」などの種目もある。

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百科事典マイペディアの解説

グライダー競技【グライダーきょうぎ】

グライダーを操縦して,滑空距離,滑空速度(一定距離間,一定距離間往復,三角コース),獲得高度,絶対高度などを競う競技。グライダーのスポーツ化は第1次世界大戦後,敗戦国に対する戦後処理政策の一環として,動力付き飛行機の製造を禁止されたドイツで起こり,ヨーロッパ各国に普及していった。

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世界大百科事典 第2版の解説

グライダーきょうぎ【グライダー競技】

グライダーを操縦して,滑空距離や滑空速度を競い合う空のスポーツ。第1次世界大戦後,動力付きの飛行機の製造を禁止されたドイツで盛んになり,欧米各国にも広がった。1936年のベルリン・オリンピックではオープン競技としてとり上げられ,翌37年にはドイツで第1回グライダー世界選手権が行われた。第2回大会は日本で40年に行われることになっていたが,第2次大戦のために中止になっている。戦後,48年にスイスのサメダンで国際航空連盟(Fédération Aéronautique Internationale。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グライダー競技
ぐらいだーきょうぎ

グライダーを操縦して滑空距離、滑空速度などを競うスポーツ。グライダー飛行は、すべての他の種類の航空機によるスポーツ飛行と同じくFAI(Fdration Aronautique Internationale国際航空連盟、創立1905年)の管理と統括の下にある。FAI機構のなかに滑空に関する専門機関としてCIVV(Commission Internationale de Vol Voile国際滑空委員会)が設けられており、FAI正会員であるNAC(National Aero Club正会員の各国航空協会)がこれら記録、競技、技能検定などの業務と権限を行使している。日本では財団法人日本航空協会(Japan Aeronautic Association略称JAA)がNACにあたり、傘下機関として社団法人日本滑空協会(Japan Soaring Association略称JSA)がわが国の滑空に関するクラブ、連盟などの全国的統括団体となっている。[渡辺敏久]

滑空記録

グライダーによる記録飛行はFAIスポーツ規定Sporting Codeに基づき各国のNACが管理する。グライダーの記録は、航空機の諸記録のうちD級にランクされ、世界級別記録の一つとして分類される。各国公認記録のうち最高のものがFAIに申請され公認された場合、世界級別公認記録として登録される。
 記録には飛行の種類により次の12種類がある。
(1)直線距離(キロメートル)
(2)目的地直線距離(キロメートル)
(3)目的地直線往復距離(キロメートル)
(4)三角コース距離(キロメートル)
(5)獲得高度(メートル)
(6)絶対高度(メートル)
(7)100キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(8)300キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(9)500キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(10)750キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(11)1000キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(12)1250キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
滞空時間記録は、人道上の問題から、人間の生理限界を超えるものとして、1955年度を最後として除外された。このほか単座滑空機級と多座滑空機級に分類され、女性だけの場合は、特別に女子記録として分類され登録される。[渡辺敏久]

滑空選手権

世界滑空選手権は、FAIスポーツ規定に基づいてNACの主催で2年ごとに開催される。このほか大陸選手権、各国ごとの選手権、国際競技会など数多くあるが、競技内容は、すべて100キロメートル以上のコースの速度競技に移行している。世界選手権には、1978年以降、オープン級(グライダーに特別の制限がない級)、15メートル級(翼幅が15メートルまでの級)、スタンダード級(簡易で安価なグライダー奨励のために特別な規格を定めた級)の3種類がある。競技課目は、200キロメートルから500キロメートルくらいまでの三角コースまたは目的地往復コースによる速度競技が主体で、そのほかに距離競技が含まれる。いずれも競技当日、課目別に最高の成績を示した者の得点を1000点として、一定の公式により順次比例的に採点を行い、各選手のすべての課目の総合得点を集計し、最高点を取得した人を選手権者として指名する。国内競技や初心者競技などの場合には、滞空時間競技、高度競技、短距離競技、操縦技能競技なども盛んに行われている。[渡辺敏久]

滑空技能

滑空技能はFAI国際滑空記章ならびに日本滑空記章によって表される。
 試験課目は、FAI国際滑空記章の銀章、金章の場合は、一定の滞空時間、獲得高度、飛行距離の三つを達成し合格した者に与えられ、ダイヤモンド章は、高度、距離、目的地距離のそれぞれに対して与えられ金章または銀章に取り付けられる。これら三つのダイヤモンド章を達成した者はFAIに登録される。前記の世界選手権に参加するには少なくとも金章以上の記章を所有することが定められている。また最近は、滑空技能の向上により1000キロメートル距離章も制定された。日本滑空記章は各国に倣い国内章として1955年(昭和30)に制定されたもので、初めて単独飛行した者にA章、基本技術を習得した者にB章、基礎的滑翔(かっしょう)技術を習得した者にC章、基礎的野外飛行技能を習得した者に銅章が与えられる。銅章はイギリスに範をとり日本独自に定めたもので、野外着陸に対する国内条件を考慮している。日本やイギリスでは、この銅章を所有しなければFAI距離課目の受験は認められていない。[渡辺敏久]

グライダー操縦の免許証

日本やアメリカでは、政府当局の発行する自家用操縦士か事業用操縦士の技能証明書(上級滑空機か動力滑空機の限定を受ける)による資格をもち、かつ毎年更新する航空身体検査証明を有していなければならない。ただし、このように政府発行の免許証を必要とする国は少なく、イギリスをはじめ欧州諸国では民間の各国航空協会の自主管理に任されている場合が多い。[渡辺敏久]

その後の動き

2008年4月現在、記録には飛行の種類により次の20種類がある。
(1)直線距離(キロメートル)
(2)往復距離(キロメートル)
(3)三角コース距離(キロメートル)
(4)目的地直線距離(キロメートル)
(5)目的地直線往復距離(キロメートル)
(6)目的地三角コース距離(キロメートル)
(7)獲得高度(メートル)
(8)絶対高度(メートル)
(9)100キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(10)300キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(11)500キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(12)750キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(13)1000キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(14)1250キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(15)1500キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(16)2000キロメートル三角コース速度(キロメートル/時)
(17)500キロメートル目的地往復コース速度(キロメートル/時)
(18)1000キロメートル目的地往復コース速度(キロメートル/時)
(19)1500キロメートル目的地往復コース速度(キロメートル/時)
(20)2000キロメートル目的地往復コース速度(キロメートル/時)
最近は滑空技能の向上により、1000キロメートルを越えるごとに認定される距離飛行認定証も制定された。また、18メートル級が新設された。翼幅18メートル以下と定められ、その他の制限はない。オープン級に次ぐ性能と、スタンダード・15メートル級とほぼ同等の取り回し、操作性を有する。[編集部]

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