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グラフィティ・アート グラフィティ・アート graffiti art

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

グラフィティ・アート
グラフィティ・アート
graffiti art

グラフィティ」は落書きのこと。 1960年代末ころからニューヨークの街の壁,地下鉄などに黒人やプエルトリカンらによる落書きが見られるようになった。エア・スプレーなどを使って激しい筆致で描かれるそれらの絵や図案化さた文字などは,やがてパンク・ムーブメントやニュー・ペインティングの流行と相乗して,芸術として評価されたり商品価値を与えられることになる。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グラフィティ・アート
ぐらふぃてぃあーと
graffiti art

都市部の公共建築の壁面や塀、鉄道駅の構内や地下鉄車両の内外などに描かれた落書きの総称。チョークや着色スプレーを用いて、丸みを帯びた文字や記号、連続した模様などが描かれることが多い。またマニアのあいだでは、ビルの高層階など描きにくい場所に描かれたものほど高く評価される傾向がある。先進諸国の大都市圏で広く見られるが、ルーツは1970年代のニューヨークにあるとされ、その流行が国際的に広まるうちに、本来は壁画研究の文脈で使われていた学術用語の「グラフィティ」graffitiを「落書き」という日常的な意味で用いることが一般化していった。落書きに美術としての側面を見るグラフィティ・アートという概念は、そのプロセスで派生したものである。
 1980年代初頭のニューヨークで、2人の新人作家が登場した。1人は雑多な人々が行きかう地下鉄の車内を舞台として社会的なメッセージ性の強い「サブウェイ・ペインティング」を描いたキース・ヘリングであり、もう1人はスプレーで描いた王冠の絵や手製のポストカードがアンディ・ウォーホルに認められたジャン・ミシェル・バスキアである。彼らはともにニューヨークの市中で落書きを描いていたストリート・アーティストであった。アート・シーンで彼らの名声が向上し、また作品発表の場が美術館やギャラリーに移行するにつれて、従来の美術とは明らかに異質であった造形的特徴を指して「グラフィティ・アート」と呼ばれるようになった。
 市街での落書きに対する関心は同時期のヨーロッパでも見られた。なかでもベルリンの壁の西側には、壁の構築時から多くの落書きが描かれ、その落書きのなかには、無名の市民に混じってクリスチャン・ボルタンスキーらの「作品」も含まれていた。時期的に一時の熱狂より少し以前にまでさかのぼることから、グラフィティ・アートの先駆をニューヨークではなくこちらとみなす場合もある。ほかには、アムステルダムのゴッホ美術館や市立近代美術館の周辺などが、1980年代前半には落書きによって埋め尽くされていたことで著名である。
 今日では、造形上の特徴が落書きに類似していれば、たとえストリート出身ではなくてもグラフィティ・アートの作家とみなされることが多い一方、落書きは相変わらず盛んに描かれているにもかかわらず、ヘリングとバスキアの死後、彼らに匹敵するストリート・アーティストは出現せず、グラフィティ・アート自体が1980年代的なアートの一様式に収まってしまった観がある。しかし、落書きとは本来「いたずら書き」や「なぐり書き」を意味する言葉であり、技術的洗練からはほど遠い一方、芸術のもっとも根源的な衝動に近い表現であることを忘れるべきではない。[暮沢剛巳]
『中原佑介編『ヒトはなぜ絵を描くのか』(2001・フィルムアート社)』

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