ケルビム(英語表記)cherubim

  • 〈ラテン〉Cherubim

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘブライ語 cherubの複数形。人面または獣面で翼をもった旧約聖書の超人的存在。神の玉座や聖なる場所を守衛すると信じられ,契約の櫃には黄金のケルビムが配置されていた。アッシリア神殿を守護した,人面,雄牛の身体,ライオンの尾,翼をもったケルブ (ケラブ) が取入れられたものと思われる。キリスト教 (特にカトリック) では智天使と訳し,天使の一つとしている。美術では頭と翼だけの幼児に描かれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

旧約聖書に登場する存在で,〈智天使〉と訳される。アダムイブが追放されたのちの楽園(エデン)を守った(《創世記》3:24)。預言者エゼキエルの幻には,人間,獅子,牡牛の4個の顔と4枚の翼をもち,黄金の眼がしるされた自転する4個の車輪をもった姿で現れた(《エゼキエル書》10)。また預言者イザヤが幻にみたセラピムSeraphim(熾(し)天使)も6枚の翼をもち,そのうちの2枚で顔を,2枚で足をおおい,残りの2枚で飛びかけつつ神の玉座を守護するものであった(《イザヤ書》6)。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

(Cherubim) 旧約聖書で神殿の奉仕者としての天使と考えられているもの。人間、獅子、牡牛、鷲の顔と四枚の翼をつけた姿で表わされる。カトリックでは、知識をつかさどる天使。九天使のうち第二位に位する。
※旧約全書(1888)創世記「エデンの園の東にケルビムと自から旋転(まは)る焔の剣を置て生命の樹の途を保守(まも)りたまふ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のケルビムの言及

【天使】より

…これは古代ギリシア・ローマの有翼の女神ニケが原型になったものと考えられる。またセラピムは3対の翼,ケルビムは2対の翼をもち,ともに1対の翼を身体の前面で交差させて頭部と足首だけを見せる。初期キリスト教時代から中世にかけては,天使は普通トゥニカとパリウムを着た青年の姿である(大英博物館蔵の象牙彫刻,6世紀)。…

※「ケルビム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ノーブレスオブリージュ

《「ノブレスオブリージュ」とも》身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観。もとはフランスのことわざで「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android