ヒンドゥー教の春の祭り。毎年パールグナ(2~3月)の満月の日に行われる。祝火でホーリカーHolikāの人形を焼き,その夜さらに祝火を点ずる1日目の儀礼と,翌日カーストや性別にかかわりなく色つきの粉や水をかけあい下品な言葉でやじり合う乱痴気騒ぎが中心。1日目の儀礼でバラモンの祭官が用いる祭詞には,年の始めに穢(けがれ)をはらい,健康や幸運を祈る言葉がみられる。起源は古く,文献ではさかのぼりきれないが,プラーナ文献にはすでに現代と変わらぬ風俗が描かれている。人形を焼く儀礼については,次のホーリカーの伝説が広く伝わっている。昔ヒラニヤカシプという王がいたが,彼の慢心は増長するばかりで,ついには神を自称するようになった。人々は彼を崇拝したが,彼のひとり息子プラフラーダだけは彼を神と認めなかった。王は何回も息子を殺そうとしたが,ビシュヌの加護により彼は生きのびた。最後に火に入っても焼けない通力をもつ叔母ホーリカーが彼を抱いて火に入ったが,火がおさまったとき出てきたのはプラフラーダだけであった。
この日はまた,愛の神カーマがシバの怒りにふれ焼かれた日とも,また幼児クリシュナを殺そうとして逆に殺された鬼女プータナーの死体が消えてしまったため,代りの人形を焼いた日ともされている。
執筆者:高橋 明
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モチノキ科(APG分類:モチノキ科)の常緑樹。一般にホーリーといわれるものには、ヒイラギモチ(疼木黐、別名セイヨウヒイラギ、英名イングリッシュ・ホーリー)Ilex aquifolium L.のほか、アメリカヒイラギ(アメリカン・ホーリー)I. opaca Ait.やシナヒイラギ(ヒイラギモドキ、チャイニーズ・ホーリー)I. cornuta Lindl.などがある。ヒイラギモチはヨーロッパから西アジア、北アフリカ原産。葉は互生し、卵形または長楕円(ちょうだえん)形、縁(へり)に先が刺(とげ)状の鋸歯(きょし)がある。雌雄異株。果実は球形で径6ミリメートル、赤色に熟す。ヨーロッパでは、クリスマスに着果枝を装飾に用いる。アメリカでは、北アメリカ東部・南東部原産で葉の縁に刺状の波状鋸歯があるアメリカヒイラギの枝を、同じように用いる。中国原産のシナヒイラギは、葉は長方形で長さ4~8センチメートル、四隅と先端に鋭い刺状の歯牙(しが)があり、果実は赤色に熟す。いずれも繁殖は挿木、実生(みしょう)による。やや耐陰性があり、適湿の肥沃(ひよく)地でよく育つ。
[小林義雄 2021年11月17日]
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…家庭内の儀礼としては,家住期に毎日行うよう規定されている宇宙の根本原理ブラフマンのためにマントラ(真言)を唱えるブラフマン祭,いっさいの神々の供養を行うバイシュバデーバ祭,いっさいの生物に供物を与えるバリ供養,祖霊を供養する祖霊祭,客人を供養するアティティ祭という〈五大祭〉が中心をなしている。年間に行われる祭りの数は多数に上るが,代表的な諸神をまつる春の祭ホーリー(2~3月),とくにベンガルで盛んなドゥルガー女神の祭ドゥルガー・プージャー(9~10月),ラーマ王子が悪魔ラーバナを征伐した記念のダシャハラー祭(10月),灯火をともし,ラクシュミー女神をまつる灯火祭ディーワーリー(10~11月)などが主要なものである。これらのほかに,ケーララ地方には収穫の祭オーナム,南インドの収穫祭ポーンガルなど地方的な祭りもある。…
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