改訂新版 世界大百科事典 「ゲラーシモフ」の意味・わかりやすい解説
ゲラーシモフ
Innokentii Petrovich Gerasimov
生没年:1905-
ロシアの地理学者。土壌地理学,地形学,第四紀,環境問題等の指導的研究者として著名。1953年よりソビエト連邦科学アカデミー正会員。1929年レニングラード大学卒業,ソ連科学アカデミー地理学研究室地形部門主任,モスクワ大学の土壌学,外国自然地理学講座主任等を歴任。また,ソ連邦地理学会会長,国際地理学連合(IGU)副会長(1960-68),76年にはIGUモスクワ大会の組織委員長を務め,同年IGU最初の名誉会員に選ばれた。ドクチャエフ金メダル等を受賞。イギリス王立地理学会,日本地理学会ほか多くの外国学会の名誉会員。おもな研究業績は,ソ連全土の土壌図および世界土壌図の作成,著書は《ソ連および隣接国の気候と土壌相》(1933),《ソ連の地理学と自然改造の諸問題》(1961)等多数。A.グラゾーフスカヤとの共著《土壌学原論と土壌地理学》(1960)が邦訳されている。
執筆者:西川 治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報