土壌図(読み)ドジョウズ(その他表記)soil map

デジタル大辞泉 「土壌図」の意味・読み・例文・類語

どじょう‐ず〔ドジヤウヅ〕【土壌図】

土壌種類を分類し、その分布状態を色彩記号で示した地図土性図

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精選版 日本国語大辞典 「土壌図」の意味・読み・例文・類語

どじょう‐ずドジャウヅ【土壌図】

  1. 〘 名詞 〙 各種の土壌の分布状態を色彩や記号で示した地図。土性図(どせいず)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土壌図」の意味・わかりやすい解説

土壌図
どじょうず
soil map

土壌の類型別分布を表現した地図。図のスケールに応じ、また類型の仕方と目的により、多種のものが作成される。世界の土壌図といわれるものは、一般に気候帯との対応分布が知られている成帯性土壌(気候型土壌)のおおよその分布域を示している。タイガ地帯にポドゾル、熱帯湿潤地域にラトソルなどの対応がある。このような世界土壌図には火山灰土壌アンドソル)や沖積地の泥炭土、グライ土など、世界的スケールでは局部分布しかもたない土壌は除かれる。現在世界の土壌図としてもっとも精度の高いものはFAO(国連食糧農業機関)・UNESCO(ユネスコ)(国連教育科学文化機関)で共同で刊行された500万分の1(世界を大陸別に9区18枚に分けたもの)の世界土壌図Soil Map of the Worldで、1970年代の後半に出版された。日本では経済企画庁(現内閣府)編による土地分類図の一つとしての50万分の1(1969年刊)土壌図およびペドロジスト懇談会編100万分の1(1990年刊)土壌図があり、ポドゾル、褐色森林土、赤黄色土、黒ぼく土、および低地土の各種の分布が示されている。もっと小範囲の地域で詳細な土壌調査データを基に、断面形態の類型別分布表示をした土壌図は、地方の行政単位ごとに作成されたもの、研究または調査目的に応じ、その研究者、調査者が独自の分類方式で表現した土壌図などがある。生成過程によって大別した土壌統を、表土下層土の土性や腐植含有量の違いで土壌区に細分表示する例が多い。

[浅海重夫・渡邊眞紀子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土壌図」の意味・わかりやすい解説

土壌図
どじょうず
soil map

土壌の種類やその分布を表現した主題図。土壌の分類には砂土,壌土,埴土など粒度組成を示す土性的なもの,残積土,運積度などの成因的なもの,赤色ポドゾル性土,赤褐色ラテライト性土などのような生成学的なもの,さらには理化学的なもの,形態的なものなどがある。それらが土壌図の目的によって等質的,複合的に類型化された体系を構成している。面的な表現が大部分であるが,表土や下層土の状態を示す柱状図や断面図が付される場合もある。面的表現は色相の違いで示される場合や網点とか斜線,格子などの縞模様で示される場合,両者の併用による場合,さらに数字やローマ字の記号を区域ごとに表示して,記号表 (または凡例) との照合をまちがわないようにしたものもある。

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世界大百科事典(旧版)内の土壌図の言及

【土壌】より

…すなわち主として落葉広葉樹林下に生成する褐色森林土,土壌生成が未熟な沖積土壌,火山灰を母材として表層に腐植が多量に集積して暗褐色ないし黒色を呈する黒ボク土,暖帯から亜熱帯に分布して風化が進み塩基の溶脱がはげしい赤黄色土,中部地方以北の高山地帯および北海道北部の低温多湿の針葉樹林下に集積した酸性腐植によって表土中の鉄,アルミニウムが下層に溶脱したポドゾルが分布している。【高井 康雄】
【土壌図soil map】
 土壌図とは,地表をおおっている土壌の種類およびその位置関係や広狭など分布状況が一目瞭然(りようぜん)に理解できるように,一定の約束(図式)にしたがって地表における土壌の構成状態を地図上に縮小表現したものである。土壌図は利用目的や土壌調査の精粗によって縮尺や図示単位が異なり,したがって得られる情報の量や質も異なっている。…

【土壌調査】より

…ある広がりをもつ地域について,野外での土壌の形態的性質の調査と室内での理化学的性質の分析とによって,地域内に出現する土壌を一定の分類方式に従って分類し,それぞれの土壌の分布範囲を示す土壌図を作成する一連の作業をいう。土壌資源の合理的な利用・管理,改良・保全に資することを目的として実施される。…

※「土壌図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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