日本大百科全書(ニッポニカ) 「ごま油」の意味・わかりやすい解説
ごま油
ごまあぶら
sesame oil
ゴマの種子から得られる半乾性油。ゴマは主としてインド、中国などに産する。含油量は50%程度、おもに圧搾法により採油される。日本ではゴマを炒(い)って香味をつけるから着色しやすい。外国ではゴマをそのまま、まず冷圧法にかけ、色相のよい油を製造する。ヨウ素価103~114。主成分脂肪酸はリノール酸(33~37%)およびオレイン酸(37~65%)である。飽和脂肪酸は10~15%。ビタミンEおよびこれよりも強力な抗酸化剤であるセサモールなどを含むために、相当量のリノール酸を含有しているにもかかわらず、ごま油の安定性は高い。食用油として賞用されるほかに、医薬用にも用いられる。
[福住一雄]