日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゴルトシュタイン(Kurt Goldstein)
ごるとしゅたいん
Kurt Goldstein
(1878―1965)
ドイツおよびアメリカで活動した神経学者。シュレージエン(現、ポーランド領)の生まれ。ハイデルベルク大学で哲学、文学を学んだのち、ブレスラウ大学で医学を学ぶ。ゲシュタルト心理学者と親しく、脳機能の局在を否定して全体説を主張した。脳損傷者を研究対象として、脳の損傷部位と知覚の欠陥、運動の欠陥、トーヌス(筋(きん)緊張)、言語などの関係を研究したものが多いが、また脳傷害者の適応の問題を取り上げ、脳傷害者を診断するテストの作製にも貢献した。1933年にはユダヤ人としてナチスに追放されアメリカに渡った。
[宇津木保]