ゴルトシュタイン(英語表記)Eugen Goldstein

改訂新版 世界大百科事典 「ゴルトシュタイン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトシュタイン
Eugen Goldstein
生没年:1850-1930

ドイツ物理学者グライビッツの生れ。ブレスラウ大学を卒業後,ベルリン大学でH.ヘルムホルツに学んだ。1881年に学位を取得し,おもに高真空中での電気放電を研究した。ドイツの物理学者プリュッカーJulius Plücker(1801-68)が発見した陰極から発する放射線に対して陰極線の名を与え,数多くの実験を通してこの線に関するW.クルックスの説を批判した。さらに86年には,穴をあけた陰極を使用することによって,陰極線とは反対方向に穴をつき抜ける放射線があることを見いだし,陽極線一種であるこの線にカナル線canal raysの名を与えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴルトシュタイン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトシュタイン
Goldstein, Eugen

[生]1850.9.5. グライビッツ
[没]1930.12.25. ベルリン
ドイツの物理学者。カルルスルーエ,ベルリン両大学で学ぶ。ベルリン大学では H.ヘルムホルツに師事ポツダム天文台の物理学教授。真空管内の放電現象を研究。放電管内に物体を挿入すると陽極に鋭い影ができることから,陰極から放射線が出ていることを示した。 1880年陰極線磁場によって曲げる実験を行い,陰極線が負に帯電した粒子の流れであるという考えの証拠を提示したが,彼自身はこの粒子がドップラー効果を示さないなどの理由によりこの説には懐疑的であった。さらに 86年陽極から発する放射線の存在を発見し,これをカナル線と名づけた。

ゴルトシュタイン
Goldstein, Kurt

[生]1878.11.6. シュレジエン,カトウィーツェ
[没]1965.9.19. ニューヨーク
ドイツ,アメリカの神経学者,精神医学者。ケーニヒスベルクフランクフルト,ベルリン大学教授を歴任,ナチス政権に追われ,渡米 (1935) 。コロンビア,タフト大学教授を歴任後,開業。神経学,精神病理学から心理学に近づき,比較的ゲシュタルト理論に近い生物学的,生体的全体観に立脚。実証的研究としては脳損傷部位と知覚および運動機能の欠陥との関係,さらに失語症の問題に及んでいる。主著『生体の機能』 Der Aufbau des Organismus (1934) ,『人間-その精神病理学的考察』 Human Nature in the Light of Psychopathology (46) 。

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百科事典マイペディア 「ゴルトシュタイン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトシュタイン

ドイツの物理学者。1888年―1898年ベルリン大学付属天文台員,以後ポツダム天文台物理学部長。真空放電現象を研究して陰極からの放射線を初めて陰極線と名づけ(1876年),さらに陽極線を発見(1886年)。

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367日誕生日大事典 「ゴルトシュタイン」の解説

ゴルトシュタイン

生年月日:1878年11月6日
ドイツ,アメリカの神経学者,精神医学者
1965年没

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