ザイペル(読み)ざいぺる(英語表記)Ignaz Seipel

精選版 日本国語大辞典 「ザイペル」の意味・読み・例文・類語

ザイペル

(Ignaz Seipel イグナーツ━) オーストリア政治家神学者ウィーン生まれ。ザルツブルク大学、ウィーン大学の神学部教授。ウィーン大司教。第一次世界大戦後、キリスト教社会党党首として連邦首相に二回就任。(一八七六‐一九三二

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザイペル」の意味・わかりやすい解説

ザイペル
ざいぺる
Ignaz Seipel
(1876―1932)

オーストリアの政治家、カトリック高位聖職者。教授として、ザルツブルク、ウィーンで倫理神学を講じた。1918年ハプスブルク帝国最後の政府厚相を務め、第一次世界大戦後、キリスト教社会党の国会議員となり、1921~1929年同党総裁、また1922~1924年および1926~1929年には連邦首相として活躍、通貨安定に貢献し、行政改革を進めた。保守的政治路線をとり、社会民主党とは対立、1924年6月1日には暗殺未遂事件によって重傷を負った。もともと大ドイツ主義の信奉者で、1925年以後も、中央ヨーロッパの再編成を目標として、ドイツとの併合を主張していた。

[中井晶夫]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ザイペル」の解説

ザイペル
Ignaz Seipel

1876~1932

オーストリアの政治家。第一次世界大戦後の共和制下,キリスト教社会党リーダーとして,民族主義派政党などとの間で連合政権再度に及んで形成した(1922~24年,26~29年)。神学者でもあり,野党の社会民主党には敵対的な態度をとった。特に,1927年に起こった左右武装組織の衝突事件の収拾に際し,社会民主党系組織に対する強硬措置を貫いたため,両党間の対立を抜き差しならないものとし,議会政治危機を深めた。

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