シトシン

化学辞典 第2版「シトシン」の解説

シトシン
シトシン
cytosine

4-amino-2(1H)-pyrimidinone.C4H5N3O(111.11).ピリミジン塩基の一つ.ウラシルとともに核酸塩基として生体内に広く存在する.S-メチルイソチオ尿素とホルミル酢酸エチルとを室温で縮合させると得られる2-メチルチオ-4-ヒドロキシピリミジンの4位をアミノ化し,2位を加水分解してヒドロキシ基にかえると得られる.無色の板状晶.分解点320~325 ℃.λmax 274 nm(pH 2).亜硝酸と反応してウラシルとなる.[CAS 71-30-7]

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日本大百科全書(ニッポニカ)「シトシン」の解説

シトシン
しとしん
cytosine

2-オキシ-6-アミノピリミジンに相当し、核酸構成塩基の一つ。RNAリボ核酸)およびDNAデオキシリボ核酸)のいずれにも含まれる。1894年にドイツの生化学者A・コッセルらが子ウシの胸腺(きょうせん)の加水分解物から分離した。1分子の結晶水をもつ板状晶として得られ、互変異性体として存在するが、水溶液中ではほとんどがケト形である。亜硝酸の作用で脱アミノ化されてウラシルとなる。5位の炭素に置換反応がおこり、ハロゲンやニトロ基が入る。

[入江伸吉]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「シトシン」の解説

シトシン
cytosine

核酸を構成するピリミジン塩基の一つで,DNAと RNAのどちらにも存在する。構造は2-ヒドロキシ-6-アミノピリミジン (分子式 C4H5N3O ) 。水に可溶で,水溶液は塩基性を示す。核酸成分として以外に,脂質中間代謝で重要であり,生物界には糖およびリン酸のついたシチジンヌクレオチドの形で存在する。

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精選版 日本国語大辞典「シトシン」の解説

シトシン

〘名〙 (cytosine) 生体内に含まれるピリミジン塩基の一つ。化学式 C4H5ON3 核酸の構成成分。亜硝酸と反応してウラシルとなる。六‐アミノウラシル。

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世界大百科事典内のシトシンの言及

【遺伝暗号】より

…通常この三つ組(トリプレットtriplet)は,塩基の頭文字をとったアルファベットの4文字(A,U,G,C)を三つ並べて表記する。A,U,G,Cはそれぞれ,アデニン,ウラシル,グアニン,シトシンを表し,1個のコドンは1個のアミノ酸または読み終りの信号(句読点のようなもの)に対応する。遺伝暗号表の読みかたは,三つ組塩基の左側から,1番目,2番目,3番目とし,UUUというコドンなら,左上端のフェニルアラニン(Phe)というアミノ酸に対応することがわかる。…

【核酸】より

…DNAでは糖の部分が2‐デオキシ‐D‐リボース(2‐deoxy‐D‐ribose)であるのに対して,RNAのそれはD‐リボース(D‐ribose)である。さらにDNAの塩基はアデニンadenine(Aと略す),グアニンguanine(G),シトシンcytosine(C),チミンthymine(T)の4種からなるが,RNAの場合はチミンの代りにウラシルuracil(U)が用いられる(図2)。DNAもRNAもこれら4塩基がいろいろな順序で多数配列した巨大分子であり,場合によってはこれら塩基に特殊な修飾の加わった(例えばメチル化された)微量塩基が少量存在することもある。…

【ピリミジン塩基】より

…生体中では,プリン塩基とともにヌクレオチドとして核酸の構成単位となる。DNA中にはシトシンとチミンが,RNA中にはシトシンとウラシルが含まれる。DNA中で紫外線照射により二量体となり,遺伝子傷害の原因となる。…

※「シトシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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