シナトラ(英語表記)Frank Sinatra

デジタル大辞泉 「シナトラ」の意味・読み・例文・類語

シナトラ(Frank Sinatra)

[1915~1998]米国歌手映画俳優。甘く柔らかな歌声人気を博した。ヒット曲に「マイウェイ」「ニューヨークニューヨーク」など。俳優としては、映画地上ここより永遠とわに」でアカデミー助演男優賞を受賞。他にも「踊る大紐育ニューヨーク」「上流社会」などに出演した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「シナトラ」の意味・わかりやすい解説

シナトラ
Frank Sinatra
生没年:1915-98

アメリカのポピュラー歌手,映画俳優。イタリア系移民の子で,ビングクロスビーに憧れ,四重唱団で歌ったりしたのち,1939年ハリー・ジェームズ楽団に誘われ,翌40年にはトミー・ドーシー楽団へ移り,専属歌手となって人気を得た。42年ソロ歌手に転じ,同年暮から43年にかけてのニューヨーク・パラマウント劇場での公演で〈ボビー・ソクサー(女学生)のアイドル〉となり,集団失神騒ぎを起こすほどの人気を集めた。〈ザ・ボイス〉〈スウーナーswooner〉などの異名をとり,ポピュラー界の大スターとなる。51年女優エバ・ガードナーと結婚したが57年に離婚。50年代初め,スキャンダルレコード会社とのトラブル,また声帯を痛めるなど低迷したが,53年《地上(ここ)より永遠(とわ)に》でアカデミー助演男優賞を得,演技派に転向するとともに芸能界の大物となった。60年の《オーシャンと11人の仲間》ではD.マーチン,S.デービスJr.,ピーター・ローフォードら〈シナトラ一家Sinatra cran〉を率いて映画製作にも乗り出した。シナトラ一家はかつてH.ボガートが主宰したアンチ・ハリウッドのスター親睦グループ〈ビバリー・ヒルズの鼠党〉を,57年にボガートの死により彼を敬愛したシナトラがひきついだものである。61年には自らリプリーズ・レコードを設立,時のケネディ大統領と親しい一方,マフィアとの関係もしばしばマスコミをにぎわすなど,アメリカ芸能界のもっとも伝説的,また象徴的なスターのひとりであった。71年一時芸能界を引退したが,73年《マイ・ウェーMy Way》でカムバックした。映画出演は,ほかに《錨を上げて》(1945),《踊る大紐育(ニユーヨーク)》(1949),《黄金の腕》(1955),《荒野の三軍曹》(1962),《七人の愚連隊》(1964)などがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シナトラ」の意味・わかりやすい解説

シナトラ
しなとら
Frank Sinatra
(1915―1998)

アメリカのポピュラー歌手、映画俳優。ニュー・ジャージー州生まれ。父はイタリア移民。1933年ビング・クロスビーの実演を聞いて歌手を志し、35年にプロとして歌い出した。39年ハリー・ジェームズ楽団に参加、翌年トミー・ドーシー楽団に移り、42年に独立。独特の甘美な歌唱でボビー・ソクサー(女学生)のアイドルとして圧倒的な人気を得た。40年代末からは疲労と私生活の問題から不調になり一時人気も下降したが、50年代に入って自身の新しいスタイルを確立、名実ともにアメリカを代表する大歌手となり、多くの歌手に影響を及ぼした。映画出演は41年からで、ミュージカルを中心に数多くの作品があるが、53年の『地上(ここ)より永遠(とわ)に』でアカデミー助演男優賞を受賞してからは、演技派スターとしても活躍。61年にリプリーズ・レコード会社を設立した。69年には、『マイ・ウェイ』が大ヒットした。71年春に引退を表明したが73年秋に復帰。95年まで歌い、芸能界の帝王とよばれる実力と貫禄(かんろく)を示し続けた。1960年の初来日以来、94年まで日本訪問は6回を数えた。

[青木 啓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シナトラ」の意味・わかりやすい解説

シナトラ
Sinatra, Frank

[生]1915.12.12. ニュージャージー,ホーボーケン
[没]1998.5.14. ロサンゼルス
アメリカのポピュラー歌手,映画俳優。本名 Francis Albert Sinatra。 1939年ハリー・ジェームズ楽団の歌手となり,翌年トミー・ドーシー楽団に移り,42年に独立,その甘い歌声でブームをつくった。 43年に映画デビュー,53年には映画『地上より永遠に』でアカデミー助演男優賞を受賞。 61年にはレコード会社リプリーズを創設,69年に発表した『マイ・ウェイ』は晩年,世界的な大ヒットとなった。 71年に芸能生活引退を声明したが,73年復帰。その後もコンサートやテレビ番組にたびたび出演,94年,半世紀以上にわたる活躍をたたえられ,グラミー賞 (特別賞) を受けた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「シナトラ」の意味・わかりやすい解説

シナトラ

米国のポピュラー歌手,映画俳優。ハリー・ジェームズ,トミー・ドーシーなどのバンドの歌手を経て1942年に独立,甘美な声で人気歌手となる。1953年には《地上(ここ)より永遠(とわ)に》でアカデミー助演男優賞を獲得。以後ステージ,レコード,映画と活躍し,米国芸能界を象徴する大スターの一人となった。
→関連項目コモ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android