シニグリン(読み)しにぐりん(その他表記)sinigrin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シニグリン」の意味・わかりやすい解説

シニグリン
しにぐりん
sinigrin

からし油配糖体一種ミロン酸カリウムともいう。和がらし、黒がらしの種子や、ワサビ根茎に含まれる。白色柱状ないしは針状晶。融点129~130℃。水に溶けやすいが、エタノールエチルアルコール)には溶けにくく、エーテルには不溶である。チオグルコース誘導体で、黒がらしの種子に存在する酵素チオグルコシダーゼ(シニグリナーゼ、ミロシナーゼともいう)により加水分解され、からし特有の刺激性のあるイソチオシアン酸アリルとグルコースおよび硫酸水素カリウムとなる。

[飯島道子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「シニグリン」の解説

シニグリン
シニグリン
sinigrin

C10H16NO9KS2(397.47).アブラナ科カラシBrassica cernuaの種子や西洋ワサビAlliaria officinalis Andrz.の根に含まれている配糖体.カラシにこの物質とともに含まれている酵素ミロシンの作用で,加水分解して刺激性の強いカラシ油([別用語参照]イソチオシアン酸アリル)とグルコースを生じる.一水和物は融点127~129 ℃.無水物は融点179 ℃.-16.4°(水).[CAS 3952-98-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシニグリンの言及

【ミロン酸カリウム】より

シニグリンsinigrinともいう。カラシ配糖体の一つ。…

※「シニグリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

《「晋書」杜預伝から》竹が最初の一節を割るとあとは一気に割れるように、勢いが激しくてとどめがたいこと。「破竹の勢いで連戦連勝する」[類語]強い・強力・強大・無敵・最強・力強い・勝負強い・屈強・強豪・強...

破竹の勢いの用語解説を読む