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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…テレビの脅威に対抗して映画界は〈ワイドスクリーン〉による映画の大型化を打ち出した。フレッド・ウォーラーが1952年に発表した〈シネラマ〉方式を皮切りに,《聖衣》(1953)を第1作とする20世紀フォックス社の〈シネマスコープ〉をはじめ,パラマウント社の〈ビスタビジョン〉,MGM社の〈パナピジョン〉,さらに70ミリ映画などが次々と開発され,古代史劇などのスペクタルを売物にするカラー大作が一時的に観客を映画館へと引き戻した。しかし,それは形式的な拡大にすぎず,やがて大衆に見放され,近年はめったに製作されることもなくなっている。…
…そのスクーラス=ザナック体制下で,シャーリー・テンプル,アリス・フェイ,ドン・アメチ,ベティ・グレーブル,マリリン・モンローといったスターが生まれ,《地獄への道》《モホークの太鼓》(ともに1939)から《荒野の決闘》(1946)をへて《拳銃王》(1950)に至る西部劇,《怒りの葡萄》(1940),《わが谷は緑なりき》(1941)から《紳士協定》(1947),《蛇の穴》(1948)をへて《イヴの総て》(1950),《革命児サパタ》(1952)に至る社会劇など,さまざまなジャンルの野心作,問題作がつくられた。 1950年代になってテレビジョンの脅威にさらされた映画界が深刻な不況を迎えると,他社にさきがけて大型画面の〈シネマスコープ〉を開発,その第1作の《聖衣》《百万長者と結婚する方法》(ともに1953),《ショウほど素敵な商売はない》(1954),《王様と私》(1956)などを製作して成功したが,《陽はまた昇る》(1957),《自由の大地》(1958)などの大作が失敗して不況から脱しきれず,ウェスト・ロサンゼルスにある撮影所の所有地の大部分が商業団地センチュリー・シティの開発に転用されるはめに立ち至った。さらに,4年の歳月と4000万ドルを費やしてローマで製作された空前の超大作《クレオパトラ》(1963)の興行的失敗が致命的な打撃をあたえることになった。…
※「シネマスコープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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