シメジ(読み)しめじ

日本大百科全書(ニッポニカ)「シメジ」の解説

シメジ
しめじ / 占地
湿地

日本の野生食用キノコの双璧(そうへき)であるシメジとマツタケには、「におい松茸(まつたけ)、味しめじ」といった表現がよく用いられるが、分類的にみると、シメジという名はホンシメジシャカシメジハタケシメジなどの区別がないころの呼び名であり、いわばマツ、サクラというような総合名ということができる。しかし、「味しめじ」のシメジはホンシメジをさしており、しばしばシメジがホンシメジと同一に扱われる。

 キノコの和名にシロシメジ、カキシメジ、サクラシメジなどがあるのは、シメジを総合名としてとらえ、シメジの前にそれぞれの種の色や形態的・生態的特徴を表すことばをつけたものである。このようなシメジの名をもつキノコは、一般に傘の肉は厚くて充実し、茎もやや太く(円柱状またはとっくり形)、傘と同様に肉が充実する。ひだは茎に直生ないし湾生するものが多い。こうした形をとるキノコを「シメジ型のキノコ」という。このタイプのキノコはマツタケ目キシメジ科のキシメジ属Tricholoma、ホンシメジ属Lyophyllum、ムラサキシメジ属Lepistaに含まれるものが多いが、まったく縁が遠いサクラシメジ(アカヤマタケ科)、アブラシメジ(フウセンタケ科)、イッポンシメジ(イッポンシメジ科)などもある。

 また、ヒラタケの栽培品種が「シメジ」または「○○シメジ」の名で市販されており、これを真のシメジ(ホンシメジ)と誤解している人が多い。栽培ヒラタケの若いものは、外観がホンシメジに似ていることに着目したある栽培家が、人口に膾炙(かいしゃ)した(広く知れ渡った)シメジの名で売り出し、宣伝の労を省いたものである。なお、ホンシメジは菌根菌なので栽培ができない。

[今関六也]

食品

シメジは前述のように多種類のキノコをさしているが、ここではホンシメジについて解説する。成分は、水分92.5%、タンパク質2.1%、脂質0.3%、炭水化物では糖質が3.7%と繊維が0.7%、灰分0.7%である。料理は、味わいを生かして和(あ)え物や蒸し物、汁物、鍋(なべ)料理などに使う。しめじ飯とするには、まずシメジを湯がいてから煮つけ、その煮汁を入れて米を炊き、炊き上がりに煮たシメジを加え、蒸してから混ぜる。ホンシメジは現在のところまだ栽培できないので、山採りによるしかなく、市場での値段は高い。

[星川清親]


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百科事典マイペディア「シメジ」の解説

シメジ

北半球の温帯に分布するキシメジ科のキノコ。秋,山地雑木林に束生または単生する。かさは径2〜8cmで肉厚,表面は灰褐色でなめらか。ひだは白色,球状の胞子を作る。柄は短大で,下半分が特に厚する。味はよいが,かおりは少ない。菌根菌なので栽培は困難。店頭で〈しめじ〉と呼ばれているものはヒラタケなどで,それらと区別するためホンシメジの名もある。近縁センボンシメジ塊茎から多数束生し食べられる。なお,シメジに似ているが,ひだははじめ白色だがのち桃色になるイッポンシメジ(ニセシメジ)は毒キノコなので注意。
→関連項目キノコ

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栄養・生化学辞典「シメジ」の解説

シメジ

 食用キノコ.普通,栽培されたアナタケ目サルノコシカケ科ヒラタケ属[Pleurotus]のキノコ,ヒラタケをいう.ホンシメジとして売られているものもハラタケ目キシメジ科のキノコのブナシメジであることが多い.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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