土瓶蒸(読み)ドビンムシ

デジタル大辞泉 「土瓶蒸」の意味・読み・例文・類語

どびん‐むし【土瓶蒸(し)】

松茸鳥肉野菜などをあしらい、土瓶に入れて蒸し煮にしたもの。
[類語]蒸し物酒蒸し茶碗蒸し

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精選版 日本国語大辞典 「土瓶蒸」の意味・読み・例文・類語

どびん‐むし【土瓶蒸】

  1. 〘 名詞 〙 土瓶を用いた蒸し物料理一つ。松茸、季節の魚や鳥肉、野菜、ぎんなんなどを土瓶に入れ、薄味の汁を注いで蒸す。
    1. [初出の実例]「『恰度正午(おひる)ですから』とて、栗の御飯に松茸の土瓶蒸(ドビンムシ)が出た」(出典:社会観察万年筆(1914)〈松崎天民〉蛮カラ列伝)
    2. 「松茸は土瓶蒸しに限りますなア」(出典:太政官(1915)〈上司小剣〉五)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土瓶蒸」の意味・わかりやすい解説

土瓶蒸し
どびんむし

土瓶の中に種々の具を入れ、だし汁を張って蒸す料理。吸い物がわりにとくに小さい土瓶を器として用い、土瓶蒸しの名前をつけ、一つの料理として用いるようになったのは明治以後である。元来、マツタケの香りが中心のものだが、最近はシメジマイタケエノキタケなどを代用するか、キノコ類を全然用いないものもある。この場合は香辛料の味と香りが大きく作用する。仕上げにはスダチユズなどをあしらう。

多田鉄之助

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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「土瓶蒸」の解説

どびんむし【土瓶蒸し】

土瓶を使って作る蒸し物。まつたけの土瓶蒸しが代表的。まつたけ・白身魚・えび・鶏肉・みつば・ぎんなんなどの具とだし汁を土瓶に入れて軽く蒸す。すだちやゆずの果汁猪口(ちょこ)にしぼり入れ、土瓶から汁を注いで吸い物風に味わいながら、具も味わう。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の土瓶蒸の言及

【マツタケ(松茸)】より

…焼きマツタケは網にのせて焼くか,ぬらした和紙で包んで熱灰に埋めて蒸焼きにし,指で裂いてポンスしょうゆで食べる。土瓶蒸しは白身の魚,鶏肉,ぎんなん,ミツバなどととり合わせて専用の土瓶に入れ,調味しただしを満たし,ふたをしたまま直接火にかける。沸騰したところで火からおろし,スダチかダイダイの汁をしぼり込んで食べる。…

※「土瓶蒸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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