シュリーフェン・プラン(英語表記)Schlieffen Plan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シュリーフェン・プラン
Schlieffen Plan

ドイツの陸軍参謀総長 A.シュリーフェンが創案し,1905年末に確定した対フランス,対ロシアの作戦計画。 20世紀の初頭,ドイツはフランス,ロシアの2強国に東西から挟撃されるおそれがあった。この作戦はロシア軍の行動が緩慢であることを予測して,ロシア軍が動員を完了するまでの1~2ヵ月の間にドイツ軍主力をフランス戦線に集中し,フランス軍主力を国境付近で包囲全滅させ,すぐさま全軍をロシア国境に移動させようとする大計画であった。第1次世界大戦では,参謀総長小モルトケによって大幅に修正のうえ実施されたが,パリを目前にしてフランス軍に側面を突かれて失敗した。第2次世界大戦でも,ヒトラーは外交的にソ連を押えてから,オランダ,ベルギーを突破してフランスに侵入するというこの作戦計画を用いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シュリーフェン・プラン
しゅりーふぇんぷらん
Schlieffen planドイツ語

1905年12月にプロイセン陸軍参謀総長シュリーフェンにより策定されたフランスに対する作戦計画。従来のロシア・フランス二正面作戦の原則に大改定を加え、ドイツ軍の全力を西方に傾注して、フランス軍を急襲、これを捕捉殲滅(せんめつ)することをその内容としている。ドイツ軍の左翼をボージュVosgesで堅持し、右翼に主力を集中して進撃させ、パリを含むフランス軍を包囲する。その際、ベルギーの中立を侵犯することが、最初から計画されていた。このシュリーフェンの計画は、ロシアが日露戦争の敗北と第一次革命で弱体化していたことを前提として作成されたものであるが、第一次世界大戦の勃発(ぼっぱつ)までほとんど修正されず、緒戦に採用されて、ドイツ軍作戦の失敗の原因となった。[岡部健彦]

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