生体に強い衝撃(ショック)を与えることにより精神病の症状を改善しようとする治療手段。古くは滝に打たれることや冷水につけることも行われた。19世紀には灌水療法といって鉄製の籠の中に患者を入れて頭から冷水をかけることも行われた。1933年にザーケルM.J.Sakelによってインシュリン・ショック療法が創始された。インシュリンを皮下または筋肉内に注射し,低血糖昏睡を生じさせることを反復すると,統合失調症の症状が改善されることが明らかにされ,精神病の身体的治療法として画期的なものとされた。その後,カルジアゾール・ショック療法がメズーナL.I.von Medunaにより創始された。これはカルジアゾールを静脈内に注入して,痙攣(けいれん)発作を起こさせるものであった。やがて電気ショック療法がより有効であるとされるに至った。しかし,精神病の向精神薬療法が精神病治療に普及するに及び,適応範囲がきわめて狭められてきている。
執筆者:加藤 伸勝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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