アメリカの彫刻家。ニューヨークに生まれ、クーパー・ユニオン、ニューヨーク大学などで絵画を学ぶ。1953年アラン・カプローの知己を得て、のちのポップ・アート仲間によるハプニングに参加。61年には人体から直接石膏(せっこう)で型取りした作品を発表した。翌62年シドニー・ジャニス画廊で開かれた「ニューリアリスツ」展にアンディ・ウォーホルやロイ・リクテンスタインらとともに出品。ポップ・アートの美術家には、彫刻家とよぶより造型作家、立体作家とよぶほうがふさわしい手法をとる者も多いが、シーガルはその代表格であり、妻や友人の身体から直接白い石膏像を抜け殻のように取り出して、街頭や室内の環境的装置のなかに配置する。映画館の切符売り場、ネオンサイン、エレベーター、食堂などの都市の荒涼とした人工的光景が正確に再現され、その内部に置かれた等身大の石膏像が暗い背景に白い切り抜き絵のように際だって映る。都市の群像を型取った白い立体像はどこか神秘的な表情をもち、孤独な寂寥(せきりょう)感を漂わせる。71年からは、それまでのように石膏の包帯の外側を型取るのではなく、包帯の内側に石膏を流し込む手法によって、表情や衣類のしわなどがさらにリアルに表現されるようになった。ポップ・アーティストではあるが、その環境彫刻は、都市の孤独を好んで描いたエドワード・ホッパーなどのアメリカン・シーン絵画に通じるものがある。97年(平成9)日本の世界文化賞・彫刻部門を受賞。父から譲り受けたニュー・ジャージー州の養鶏場をアトリエとして制作を続けていたが、2000年75歳で死去。
[石崎浩一郎]
『西武美術館ほか編『ジョージ・シーガル展 静止するアメリカン・シーン』(1982・現代彫刻センター)』▽『フィリス・タックマン著、酒井忠康・水沢勉訳『ジョージ・シーガル』(1990・美術出版社)』▽『菅原猛著『現代美術への招待』(1991・新評論)』▽『『現代美術 シーガル』(1993・講談社)』▽『セゾン美術館ほか編『ジョージ・シーガル展カタログ』(1996・セゾン美術館)』▽『Sam Hunter, Don HawthorneGeorge Segal(1984, Rizzoli, New York)』▽『Sam HunterGeorge Segal(1989, Rizzoli, New York)』
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