デジタル大辞泉 「ジェンダーギャップ指数」の意味・読み・例文・類語
ジェンダーギャップ‐しすう【ジェンダーギャップ指数】
[補説]男女間の格差を国別に示す指標としては他に、国連開発計画(UNDP)が発表するジェンダー不平等指数(GII)がある。これは2009年までジェンダー開発指数(GDI)およびジェンダーエンパワーメント指数(GEM)として発表されたもの。
世界経済フォーラム(WEF)が公表する男女格差報告。日本は2023年版で146カ国中、過去最低の125位にとどまった。先進7カ国(G7)で最下位、韓国や中国も下回る。日本の状況を分野別で見ると、教育(47位)や健康(59位)に比べ、経済(123位)と政治(138位)が足を引っ張る。政治分野では、国会議員や閣僚などに占める女性の割合が低いことが要因となっている。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
国ごとの男女格差(ジェンダーギャップ)を測る指数。略称GGI。世界の企業や団体が加盟する非営利の公益財団、世界経済フォーラムWorld Economic Forumが2005年から実施し、『世界男女格差報告書』The Global Gender Gap Reportにおいて毎年発表している。GGIは各国の資源や機会が男女間でどのように配分されているかについて、以下の4分野で評価している。(1)経済活動の参加と機会(給与、雇用数、管理職や専門職での雇用における男女格差)、(2)教育(初等教育や高等・専門教育への就学における男女格差)、(3)健康と寿命(出生時の性別比、平均寿命の男女差)、(4)政治への関与(議会や閣僚など意思決定機関への参画、過去50年間の国家元首の在任年数における男女差)。指数の算出には国際労働機関(ILO)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機関(WHO)などの公的データが用いられる。指数は0から1の数値で表され、0が完全不平等、1が完全平等を意味する。調査対象は2023年時点で146か国。各国をランク付けするため「男女平等ランキング」ともよばれる。
2023年の結果(総合)は、1位アイスランド(0.912)、2位ノルウェー(0.879)、3位フィンランド(0.863)、4位ニュージーランド(0.856)、5位スウェーデン(0.815)、日本は125位(0.647)。日本の分野別指数は、経済参画0.561、教育0.997、健康0.973、政治参画0.057で、政治分野における女性の進出が極端に遅れていることがわかる。日本と韓国(105位、0.680)は経済協力開発機構(OECD)諸国のなかでもとくに順位が低く、女性が活躍できる社会づくりを世界から求められている。
男女間格差についての調査は他の機関でも行われており、調査分野や項目により結果には大きな違いがみられることがある。たとえば男女間の格差がその国の人間開発に与えた損失を比較して表す数値として、UNDPが出しているジェンダー不平等指数Gender Inequality Index(GII)では、妊産婦死亡率、国会議員の女性の割合、中・高等教育以上を受けた人の割合などから数値を算出しており、2022年発表のランキングでは、日本は191か国中22位である。
[編集部 2023年7月19日]
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