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国際労働機関 こくさいろうどうきかん International Labour Organization; ILO

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際労働機関
こくさいろうどうきかん
International Labour Organization; ILO

全世界において労働条件を改善し社会正義を実現することを目的とする国際組織ベルサイユ条約第13編「労働」に基づき,1919年に設立された。国際連盟の加盟国は自動的ILO加盟となり,また連盟と ILOは予算上は一体であった。

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知恵蔵2015の解説

国際労働機関

国連の最初の専門機関(1946年より)だが、設立は古く1919年。本部ジュネーブ、加盟国数179(2006年8月現在)。世界の永続的平和は社会正義の実現によって得られるとの認識に立ち、労働条件と生活水準の改善を目的とする。そのために、賃金や雇用条件について勧告したり、条約を採択する。ILO総会で採択されるこの条約が国際労働条約。それを批准した国だけしか拘束しないが、採択時に反対票を投じた国でも、条約案は自国で批准権限を持つ機関に提出しなければならない。総会と56名の理事で構成される理事会において、各加盟国の政府、使用者、労働者が2、1、1の割合で代表を送る、国際機構としては特異な「三者構成」をとっている。1969年にノーベル平和賞を受賞した。しかし、機構の運営が東(あるいは南)側に偏っているとして、77年に米国が脱退(80年復帰)するなどの危機もあった。

(最上敏樹 国際基督教大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

こくさい‐ろうどうきかん〔‐ラウドウキクワン〕【国際労働機関】

アイ‐エル‐オー(ILO)

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百科事典マイペディアの解説

国際労働機関【こくさいろうどうきかん】

ILO

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大辞林 第三版の解説

こくさいろうどうきかん【国際労働機関】

国際連合の専門機関の一。1919年ベルサイユ条約に基づいて創設され、46年国際連合の専門機関となる。政府・労使の代表によって構成され、国際的規模での労働条件の改善を目指し、完全雇用、生活水準の向上、最低賃金の保障、団結権擁護などを活動の基本とする。 ILO 。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際労働機関
こくさいろうどうきかん
International Labour Organization

労働条件の国際的規制ないしは国際的な労働者保護を通じて社会正義を実現し、世界平和に貢献することを目的とする国際的な公機関。略称ILO。第一次世界大戦の終結にあたり結ばれたベルサイユ条約「第13編労働」により、1919年スイスのジュネーブに設立された。国際連盟の発足(1920)以来、その専門機関の一つとして活動し、第二次世界大戦による国際連盟解消後も単独で存続し、戦後の1946年、国際連合の新設に伴い、その社会政策的分野を担う専門機関となった。ILO創設当時の加盟国は43か国であったが、2009年5月時点で、183か国となっている。加盟国の構成も、ヨーロッパの先進資本主義諸国中心の構成から、第二次世界大戦後は、アメリカ、旧ソ連(現在のロシアほか)の加盟、アジアアフリカラテンアメリカ開発途上国の相次ぐ加盟によって多彩となり、ILOの活動、性格にも変化をもたらしている。
 日本は創設以来の加盟国であったが、満州事変を契機とする国際連盟脱退ののち、1938年(昭和13)ILOをも脱退し、第二次世界大戦後1951年に復帰、1954年以降は常任理事国となっている。その後、日本の経済大国化など国際的地位の高まりにより、ILOにおける日本の立場も高まっている。たとえばILO分担金では、2008(平成20)~2009年度の日本の分担率は、16.63%でアメリカの22%に次いで第2位である。また、ILOの公用語は英語とフランス語であるが、主要会議では、スペイン語、アラビア語、ロシア語などが会議用語として認められて同時通訳が行われていたが、日本語もそれらの言語と同様、1980年6月の第66回総会で初めて同時通訳が実現した。
 ILOは他の国際的公機関と異なって、加盟国の政府代表だけでなく、労使団体の代表を加え、いわゆる政・労・使の三者構成制度をとっている。また世界労働組合連盟(WFTU)、国際労働組合総連合(ITUC)の二大労連をはじめ、国際使用者団体(IOE)などに諮問的地位を与えて活動に参画させている。
 ILOの活動領域との関係で重要なのは、1944年の第26回総会で採択されたフィラデルフィア宣言である。すなわち「労働は商品ではない」「一部の貧困は全体の繁栄にとって危険である」「社会正義に基づく恒久平和」などの根本原則にたち、完全雇用と生活水準の向上、労働条件とくに最低賃金の保障、団結権擁護と労使協力、社会保障、労働者保険、児童および母性保護、文化施設の提供、教育と職業の機会均等など10項目の達成をILOの義務とした。単に労働者保護だけでなく、広く社会一般の生活水準の引き上げに至るまで活動責任の領域を拡大した。
 さらに、条約・勧告の採択といった国際労働基準設定と並んで、第二次世界大戦後とくに技術協力活動が拡大強化された。具体的には、技術協力を必要とする加盟国への専門家の派遣、フェローシップ(海外研修)供与、セミナー開催などの形をとっている。実施地域では、アフリカ、アジア・太平洋が多く、活動分野別では、雇用・開発と企業・協同組合開発、それらに次いで訓練、となっている。[早川征一郎]

主要機構

毎年1回開催される国際労働総会(各国政府代表2名、労使代表各1名の三者構成)を最高機関とし、執行機関として国際労働理事会(毎年3回開催。正理事は政府代表28名、労使代表各14名、計56名)、常設の事務局として国際労働事務局(ジュネーブ)がある。そのほかに、アジアなど各地域会議、産業別委員会(運輸、炭鉱、衣料、農業など)、各種の事項別委員会(社会保障、移民、協同組合など)、一種の準司法的機能をもつ結社の自由実情調査調停委員会などがある。[早川征一郎]

条約・勧告

諸活動のなかでもっとも重要なのは、国際労働立法とよばれる国際労働基準の設定である。それは国際労働条約(ILO条約)および勧告(ILO勧告)の形をとる。創立から1944年のフィラデルフィア総会までは、67条約、74勧告を採択した。それらの大半は、労働者保護を目的としたものである。さらに、第二次世界大戦後の1945年から2007年6月総会終了までに、相次いで条約、勧告が採択され、条約・勧告の総数は、2007年6月の総会を終わった段階で、それぞれ188、199となっている。
 第二次世界大戦後の条約・勧告の特徴としては、(1)基本的人権、(2)新たな労働問題への対応、(3)改正統合条約の三つがあげられる。1940年代末から1950年代にかけて、ILOは、戦前の労働者保護から一歩踏み出して、基本的人権の確立を目ざす条約・勧告を採択した。おもなものは、1948年の結社の自由・団結権保護条約第87号、1949年の団結権・団体交渉権条約第98号などがあげられる。また、1951年の同一報酬条約第100号は、男女同一労働同一賃金の原則による性差別排除を定めており、世界人権宣言のなかでも基本的人権の一つとされている。新たな労働問題への対応ということでは、1960年の放射線保護条約第115号、1971年のベンゼン条約第136号、1986年のアスベスト使用禁止条約第162号、1990年の化学物質安全使用条約第170号などである。1999年6月の総会で採択された「最悪の形態の児童労働の禁止および廃絶のための即時行動に関する条約」(第182号)は、労働者保護とともに、前記(1)(2)の特徴を兼ね備えた条約である。旧条約の改正統合は、第二次世界大戦前の条約を新たな事態に対応させるための手直しである。したがって、どの改正や統合にも、労働者保護、基本的人権、新たな労働問題への対応といった要素が含まれている。たとえば、女性夜業、有料職業紹介所、母性保護などがあげられる。2000年6月の総会で採択された母性保護条約第183号は、1919年の第3号条約採択、1952年の改定を経て、今度が二度目の改定にあたる。
 なお、日本の条約批准数は2007年7月時点で、188のILO条約のうち48である。しかしOECD諸国の平均批准数67(2001年時点)をかなり下回っており、内容的にも、1日8時間・週48時間労働の原則を定めた第1号条約、強制労働に関する第105号条約など、重要で基本的な条約が批准されていない。[早川征一郎]

ILO87号条約批准問題

第二次世界大戦後、労働者の団結を擁護する重要な条約として、結社の自由及び団結権の保護に関する第87号条約(1948)、団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する第98号条約(1949年。日本の批准は1953年)が採択されたが、日本の87号条約批准は遅れ、1958年以来ILOの舞台で日本の87号条約批准問題が取り上げられるに及んで、ようやく1965年に批准された。このILO87号条約批准問題は、公共企業体等労働関係法(1986年国営企業労働関係法に改称、さらに2001年国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律、2003年には特定独立行政法人等の労働関係に関する法律と改称)第4条3項、地方公営企業労働関係法第5条3項が、公共企業体等の職員でなければ組合員または役員になりえない旨規定しており、これが同条約に違反しているとして、1958年4月に総評と機労(のちの動労)が、同年9月に総評と全逓(ぜんてい)が、ともに連名で政府の組合権侵害をILO結社の自由委員会に提訴したことに端を発している。だが、ILO結社の自由委員会による、公労法第4条3項と地公労法第5条3項の廃止、87号条約の早期批准の勧告にもかかわらず、政府は長期にわたり批准を引き延ばしてきた。そのために、1965年、ILOは実情調査調停委員会(ドライヤー委員会)を日本に派遣するに至り、政府もついに批准に踏み切らざるをえなくなり、前記条文の廃止をはじめ、関係国内法が批准前の1965年5月に改正整備された。とはいえ、それだけでは問題は根本的には解決していない。批准問題の論議を通じ、日本の官公労働法制全体が問題として浮かび上がった。とくに争議権である。争議権については、条約批准後、1966年10月の全逓中郵事件判決および1969年4月の都教組4・2判決で、限定的合憲解釈論に立って争議行為を容認する画期的な最高裁判決が出された。だが、1973年4月の全農林警職法事件判決で、最高裁はスト処罰全面合憲論に立った逆転判決を出し、以後、最高裁判例は変更されていない。
 2002年11月、ILO理事会は、日本の公務部門における労働基本権制限について、ILO87号条約および98号条約に違反していると指摘した画期的な勧告を行った。この勧告を契機に、公務員制度改革が具体的な日程に上るに際し、公務部門の労働基本権回復問題が国内で議論されているが、2010年4月の時点では、依然として労働基本権は制限されたままである。[早川征一郎]

その後の対日関係

そのほかに条約批准問題で大きな問題となったものはとくにない。ただ、全体としてILOの国際労働基準と日本とのギャップが意識されるようになり、未批准条約の批准を求める要求は、労働界を中心に高まっている。その例として、いまだ批准されていないが、労働基本権問題として重要な強制労働廃止条約第105号があげられる。また、条約ではないが、ILO結社の自由委員会勧告に基づく理事会勧告は無視できない。
 たとえば、JR(旧日本国有鉄道)1047人不採用問題に関し、1999年11月、結社の自由委員会中間報告(勧告)がILO理事会で採択され、2004年6月には、第6次勧告が出された。こうした勧告を受けたことが重要な契機となり、1987年4月の国鉄分割・民営化後、23年を経た2010年4月、日本国内において解決に至った。[早川征一郎]
『飼手真吾・戸田義男著『ILO国際労働機関』(1960・日本労働協会) ▽中山和久著『ILOと労働基本権』(1963・日本評論新社) ▽花見忠著『ILOと日本の団結権』(1968・ダイヤモンド社) ▽法政大学大原社会問題研究所編「特集 ILOと日本」(『日本労働年鑑 第65集』所収・1995・旬報社) ▽財団法人日本ILO協会編・刊『講座ILO(国際労働機関)――社会正義の実現をめざして』(1999) ▽工藤幸男著『日本とILO――黒子としての半世紀』(1999・第一書林) ▽労働省編『ILO条約・勧告集』(2000・労務行政研究所) ▽財団法人日本ILO協会編・刊『欧米の公務員制度と日本の公務員制度』(2003) ▽法政大学大原社会問題研究所編「ILO」(『日本労働年鑑』各年版所収・旬報社)』

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世界大百科事典内の国際労働機関の言及

【ILO】より

…国際労働機関International Labour Organizationの略称。第1次大戦のベルサイユ平和条約によって,国際連盟(1920発足)とともに1919年に設けられた国際機関であって,第2次大戦後は国際連合との協定によって国連の社会政策分野を担当する専門機関になった。…

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