ジネブ

百科事典マイペディア 「ジネブ」の意味・わかりやすい解説

ジネブ

農薬。エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛塩の通称。有機硫黄の園芸用殺菌剤の一種。商品名はダイセン,ダイファー。野菜,花,果樹の各種病害防除に広く使われる。殺ダニ効果もあり,ミカンサビダニ有効。効果は持続的,作物への薬害や人畜毒性は少ない。類似殺菌剤にマンネブ(エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン塩)などがある。(図)
→関連項目疫病黒斑病炭疽病べと病

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化学辞典 第2版 「ジネブ」の解説

ジネブ
ジネブ
zineb

zinc ethylenebis(dithiocarbamate).C4H6N2S4Zn(275.77).エチレンビスジチオカルバミド酸塩(Na塩)に硫酸亜鉛を反応させると得られる.白色固体.熱分解しやすく融点は不明.水溶性10 ppm.一般有機溶媒にほとんど不溶.光,熱,水分に不安定である.農薬用殺菌剤.果樹,野菜,ムギ,豆類の病害(銹(さび)病,べと病,炭疽(そ)病,黒点病赤星病など)に有効.LD50 7600 mg/kg(マウス経口).[CAS 12122-67-7]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジネブ」の意味・わかりやすい解説

ジネブ
zineb

農薬の一種。有機硫黄系剤。エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛を主体とする。残効性が比較的長く,銅に弱い作物に使用でき,病原菌に対し非選択的に作用するため適用範囲が広く,細菌病を除く各種病害に有効である。特に殺菌のほか,ダニの発生抑制効果もある。麦類の銹病,ナシの赤星病などに有効。

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世界大百科事典(旧版)内のジネブの言及

【ダイセン】より

ジチオカーバメート系殺菌剤で,ジネブzineb(エチレンビス(ジチオカーバメート)亜鉛)の商品名。黄色の吸湿性結晶で,ウリ類の炭疽(たんそ)病,疫病,アブラナ科の黒斑病,白斑病,べと病,ネギ類のべと病,黒斑病,銹(さび)病,イチゴの灰色かび病など野菜類の病害の防除に用いられる。…

※「ジネブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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