炭疽病(ソルガム・スーダングラス)
世界的な重要病害。日本では発生は少ないとされてきたが、近年気候温暖化に伴い発生が増加している。盛夏に小さな円形の斑点を葉に形成する。これが徐々に拡大して、周縁部赤褐色〜紫色、中央部黄褐色〜灰白色の病斑となり、相互に融合して不定形病斑となる。病斑が古くなると剛毛という菌組織が形成され、中央部が黒くかびてくる。剛毛付近には粘塊状の胞子が形成され、これが風雨で飛散してまん延する。病原菌はトウモロコシ、オーチャードグラス、ライグラスなどの炭疽病菌と同属だが、種が異なり、ソルガムにのみ病原性を示す。
炭疽病(ライグラス)
暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって灰白色〜淡褐色、長楕円形〜紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、オーチャードグラス、バヒアグラスなどの炭そ病菌と同種であるが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(フェスク)
暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって灰白色〜淡褐色、長楕円形〜紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、オーチャードグラス、バヒアグラスなどの炭そ病菌と同種であるが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(レッドトップ)
暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって淡赤褐色〜橙色、楕円形〜紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm 程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風 雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、ライグラス、バヒアグラスなどの炭疽病菌と同種であるが、それぞれ 寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(オーチャードグラス)
暖地での夏枯の原因となる斑点性の糸状菌病。初め水浸状の小斑点が現れ、これが広がって淡赤褐色〜橙色、楕円形〜紡錘形、長さ5-10mm、幅2ー4mm程度の病斑になる。病斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下ではオレンジ色の胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨明けから夏の終わりにかけて発生する。病原菌はソルガム、ライグラス、バヒアグラスなどの炭そ病菌と同種であるが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(トウモロコシ)
梅雨明けから発生する斑点性の糸状菌病。病斑は周縁部黒褐色、中央部黄褐色〜灰白色、楕円形で、後に相互に融合して不定形となる。病斑が古くなると剛毛という菌組織が形成され、中央部が黒くかびてくるのが特徴。剛毛付近にはオレンジ色の粘塊状の胞子が形成され、これが風雨で飛散してまん延する。病原菌はソルガム、オーチャードグラス、ライグラスなどの菌と同種だが、それぞれ寄生性が分化しており、他の植物の菌がトウモロコシを侵すことはないとされる。
炭疽病(エンバク)
梅雨明けから発生する斑点性の糸状菌病。病斑は黄褐色〜橙色、楕円形、大きさ5-30×1-5mmで、後に相互に融合して不定形となる。病斑が古くなると中央部が灰白色になり、そこに剛毛という菌組織が形成され、黒くかびてみえる。剛毛付近にはオレンジ色の粘塊状の胞子が形成され、これが風雨で飛散してまん延する。病原菌はソルガム、オーチャードグラス、ライグラスなどの菌と同種だが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(ベルベットグラス)
梅雨明けから発生する斑点性の糸状菌病。病斑は黄褐色〜橙色、楕円形で、後に相互に融合して不定形となる。病斑が古くなると中央部が灰白色になり、そこに 剛毛という菌組織が形成され、黒くかびてみえる。剛毛付近にはオレンジ色の粘塊状の胞子が形成され、これが風雨で飛散してまん延する。病原菌はソルガム、 オーチャードグラス、ライグラスなどの菌と同種だが、それぞれ寄生性が分化しているとされる。
炭疽病(センチピードグラス)
葉に斑点を形成する糸状菌病で、2004年に報告された新病害。病斑は灰褐色、周縁部は褐色〜赤褐色、紡錘形〜不整形、長さ3-5mm、幅1-2mm。病 斑が古くなると中央部に剛毛という菌組織を形成し、黒くかびたように見える。多湿条件下では胞子粘塊を形成し、これが風雨で飛散してまん延する。梅雨期か ら夏の終わりにかけて発生する。病原菌はノシバ炭疽病と同種である。
炭疽病(パスパルム)
暖地で発生の多い葉枯性の糸状菌病。病斑は橙色から灰褐色、楕円形から紡錘形、長さ5mm程度で、古くなると中央部に剛毛を形成し、黒くかびて見える。病 斑周囲は激しく黄化し、病勢が進展すると病斑が融合して葉枯症状となる。病原菌は他のイネ科植物の炭そ病菌と同種だが、寄生性が異なるとされる。
炭疽病(アカクローバ)
夏から秋に発生する、暖地で被害の大きい糸状菌病。葉、葉柄、茎に発生し、黄褐色、紡錘形、少しくぼみ、中央部に黒いかび(剛毛)を生じた病斑となる。病斑部から上は萎れてしまうことが多く、激発時には株枯となる。病原菌はアルファルファにも寄生する。
炭疽病(サブタレニアンクローバ)
夏から秋に発生する、暖地で被害の大きい糸状菌病。葉、葉柄、茎に発生し、黄褐色、紡錘形、少しくぼみ、中央部に黒いかび(剛毛)を生じた病斑となる。病斑部から上は萎れてしまうことが多く、激発時には株枯となる。病原菌はアルファルファにも寄生する。
炭疽病(アルファルファ)
夏から秋に発生する、暖地で被害の大きい糸状菌病。葉、葉柄、茎に発生し、黄褐色、紡錘形、少しくぼみ、中央部に黒いかび(剛毛)を生じた病斑となる。病斑部から上は萎れてしまうことが多く、激発時には株枯となる。病原菌はクローバにも寄生する。
炭疽病(ノシバ)
1999年7月栃木県内で発生。葉身に中央部灰色、周縁部褐色となる紡錘形の病斑を生じ、葉身先端部が侵され易い。古い病斑上に多数の黒点(分生子層)を生じる。
出典 畜産草地研究所飼料作物病害図鑑について 情報
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