ジャンビ(読み)じゃんび(英語表記)Djambi

デジタル大辞泉 「ジャンビ」の意味・読み・例文・類語

ジャンビ(Djambi)

インドネシアスマトラ島中部東岸の都市旧称テラナイプラ。ジャンビ州州都。ハリ川に面し、河港をもつ。近世に海上交易で栄えたシュリービジャヤ王国の都が置かれた。20世紀初頭より油田開発が進められた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャンビ」の意味・わかりやすい解説

ジャンビ
じゃんび
Djambi

インドネシア、スマトラ島東海岸中部の都市。旧称をテラナイプラTelanaipuraといい、ジャンビ州の州都である。人口30万1359(1990)、58万5392(2018推計)。スマトラの大河ハリ川の河口から150キロメートル上流にある河港都市で、歴史的には近世までこの地方を支配したスルタン王都であったが、20世紀初頭オランダに屈服した。ハリ川はこの付近で幅300メートルもあり、高水時には喫水3メートルまでの汽船遡航(そこう)できる。古くから地方物資の集散地で、ことに20世紀初頭からは油田開発の中心地ともなった。住民はマレー人がおもで、中国人やアラブ商人も多い。川の右岸官庁や商業区であるが、左岸は先住民居住区で一部には杭上(こうじょう)家屋、家舟居住もみられる。大学や地方空港もある。

[別技篤彦]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ジャンビ」の解説

ジャンビ
Jambi

スマトラ東南部のバタンハリ川下流域の都市。パレンバンと並びマラッカ海峡に面する海洋交通の要衝で,11世紀終りにシュリーヴィジャヤの中心地となり,11~12世紀頃大乗仏教が栄えた。16世紀に同名のイスラーム王国の王都となり,16世紀から17世紀末にかけてミナンカバウ産の胡椒(こしょう)輸出で繁栄した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャンビ」の意味・わかりやすい解説

ジャンビ
Jambi

旧名トゥラナイプーラ Telanaipura。インドネシア,スマトラ島南東部,ジャンビ州の州都。南シナ海側のベルハラ海峡に注ぐハリ川にのぞみ,中型船が寄港する港町でもある。 1100年頃からムラユ王国の首都であったが,1916年オランダの支配下に入った。州内で栽培されるゴム精製と積出しが盛ん。人口 23万 373 (1980) 。

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世界大百科事典(旧版)内のジャンビの言及

【テラナイプラ】より

…インドネシア,スマトラ島南東部の港市。ジャンビ州の州都。人口30万1000(1990)。…

※「ジャンビ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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