スパイラル・テープ(読み)スパイラルテープ

百科事典マイペディア 「スパイラル・テープ」の意味・わかりやすい解説

スパイラル・テープ

細いテープを身体の一部に,螺旋(らせん)(スパイラル)状または格子状に貼ることで,痛みや筋肉の緊張などを解消したり,やわらげたりする治療法。考案者は大阪の柔道整復師・田中信孝。 筋肉は縦,横,斜めに緊張し,互いに引っ張り合ってバランスを保っている。筋肉の一部に歪みが生じバランスが崩れると,肩こりや腰痛などの症状があらわれる。こうした相関する筋肉は,多くの人の場合,身体の末梢手足の先端)から見て左巻きの螺旋を描きながら,身体全体に波及している。その螺旋に沿って細いテープを巻くことで,筋肉の歪みを矯正しバランスを回復,痛みや不快な症状をとるのである。 スポーツによる肘(ひじ)や膝の痛み,腰痛,腓(こむら)返り捻挫(ねんざ),肉離れ,打撲などから,魚の目,たこ,頭痛,冷え症,喉(のど)の痛み,神経痛,集中力を高める,緊張感をほぐす,イライラや不安の解消などに効能を発揮する。また,妊婦の腰痛の軽減や早産の防止などに対する効果も期待され,産婦人科での利用が試みられている。 スパイラル・テープは,1994年,正月恒例の箱根駅伝で優勝した山梨学院大学の選手が貼って走ったことから話題になった。これに続いて,1996年の箱根駅伝で,装着した選手が登場して話題になったのが,〈チタン・テープ〉である。 チタン・テープは航空機眼鏡フレームの素材に用いられる金属チタン超微粒子を,特殊加工で接着面に塗ってあるテープのこと。小さく切ったものを疲れや痛みのある部分に貼ると,血流がよくなり症状が改善される。また,ツボに貼ると自律神経系が整い,リラックスでき集中力も高まるとされる。しかし効果に根拠はなく,スポーツの補助用品や,主にスポーツ選手などの精神面を支える役目を果たすものとも考えられる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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