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スモーリー Smalley, Richard E.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

スモーリー
Smalley, Richard E.

[生]1943.6.6. オハイオ,アクロン
[没]2005.10.28. テキサス,ヒューストン
アメリカの化学者。 1973年プリンストン大学で博士号を取得。 1976年にライス大学の教壇に立ち,その後同大学の化学教授に,1990年からは,物理学教授も兼任。 1985年 H.W.クロート,R.F.カールとともに新しい炭素分子をつくり出す実験を行ない,黒鉛にレーザーを照射して蒸発させ炭素原子が 60個集まった安定した分子C60の生成に成功。その構造として,サッカーボールの表面のように6角形と5角形の頂点に炭素原子をおいた形にたどり着き,ドーム構造で有名な建築家のバックミンスター・フラーにちなんで「バックミンスターフラーレン」と名づけた。さらにラグビーボール状の C70 の生成にも成功。 C60 の理論的可能性については 1970年に日本の大沢映二が予測していた。フラーレンは高い対称性と安定性をもつため,超伝導物質の材料や複合材料として未知の可能性を秘めており,化学の発展に大きく貢献した。 1996年クロート,カールとともにノーベル化学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

スモーリー
すもーりー
Richard E. Smalley
(1943―2005)

アメリカの化学者。オハイオ州生まれ。1961年ホープ大学に入学後ミシガン大学に編入し1965年に卒業。シェル化学に就職しポリプロピレン工場の品質管理研究所、プラスチック技術センターに勤務。1969年プリンストン大学に進学し、1973年博士号を取得後、シカゴ大学で超音波ビームレーザー分光法に取り組む。1976年ライス大学准教授に就任。レーザーをノズルに直接照射することでどんな物質でも原子の状態で蒸発させる方法をみいだした。さらに、原子のクラスターを適度に調節して小さな凝集を形成させ、続いて超音波ビームで一気に冷却する方法を開発した。1981年同大学教授となった。
 1985年にこの装置を用いて、H・クロート、R・カールとともに炭素のクラスター形成実験を行い、従来知られている炭素の結晶構造とは異なる、炭素原子60個からなるクラスターを合成し、その安定した性質から対称的な構造つまり球状の構造をとっていると考え、フラーレンと名づけた。その後は金属クラスターや半導体クラスターなどの研究とチューブ型のフラーレンを研究し、さまざまな分野への応用を目ざした。フラーレン発見の功績により1996年、クロート、カールとともにノーベル化学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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